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(回答先: [日経] 株下落、イラク戦後統治を読み解く(1)元米国務次官補発言が鍵 投稿者 Ddog 日時 2003 年 4 月 08 日 23:53:14)
[日経] 株下落、イラク戦後統治を読み解く(2)消えない原油高騰リスク
ジュレジアン米ライス大ベーカー公共政策研究所長が描くシナリオが
分かれば、イラク戦後の展開と市場の動きがある程度、推測できる。大
和総研の佐久間アナリストによると、同所長は「戦後のイラクは復興を
目的に、現在日量250万バレルの原油生産を3年かけて日量350万バ
レルまで高める」との計画を明らかにした。
イラク戦争前に懸念されていた戦後の最悪のシナリオは、以下のよう
なものだ。米国が主導する戦後のイラクは、復興の原資にすることを名
目に、例えば4―5年かけて日量600万バレルといった極端な原油増産に
踏み切る。民主化とは「普通の資本主義国のように需要に合わせて生産
する」という解釈が可能で、周辺国を無視した増産もあり得る。イラク
原油増産を快く思わない石油輸出国機構(OPEC)加盟国は、イラク
が増産体制を築く前に原油供給を絞り込むことで価格を高騰させ、先
進国に揺さぶりをかける、とのストーリーだ。
佐久間氏は同所長の話を聞いて、「周辺国に配慮した増産量」との感想
を持った。イラクは3年かけて徐々に日量100万バレルを増やすので、
今後の世界的なエネルギー需要の増加を考えれば、この程度の供給増は
吸収できると考えられるからだ。佐久間氏は「原油価格は今年4―6月
期は1バレル=25―28ドルで安定し、今後2―3年でみてもせいぜい2―
3ドルの上昇にとどまる」と予想する。
ただ、不安材料はある。イラクの反体制派の主張は隔たりが大きく、
新政権での主導権争いが懸念されるからだ。イラク北部のクルド人勢力
が蜂起して紛争に発展した場合、日量100万バレルとされるイラク北部の
都市キルクークでの原油生産が止まりかねないし、クルド人居住区は、
ちょうどカスピ海周辺国が地中海に原油を供給するパイプラインの要所
でもある。
原油はほとんどの工業製品の原材料で、原油高は企業にとって仕入れ
価格の上昇だ。デフレの状況下では原材料の上昇を価格に転嫁できず、
株式市場にとってはマイナス。佐久間氏は「クルド人勢力による混乱で
原油価格が高騰する確率は、あっても1割」とみるが、戦後統治が見え
ない状況で市場関係者の不安は消えない。(鍋井弘士)