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来週の金融政策決定会合:ABCPの検討[QUICK]
4月7〜8日に日銀金融政策決定会合が開かれる。今回は現行量的緩和策の再検討と、中 小企業の売掛債権を担保としたABCPの買い入れ案が検討されるだろう(国債買切りオペ の増額は見送られる)。時間的な制約もあって、ABCPの件は今回の会合では大枠の提示 にとどまると思われる。福井総裁は就任記者会見で「お金を末端に届けるという出前持 ちのような仕事」を「愚直にやっていきたい」と述べていたが、ABCPの件はその流れに 沿うものなのだろう。
なお、これまで日銀はバランスシートの劣化を懸念してCPの買切りオペに関しては頑 なに拒んできた。よって、具体的にどのようなスキームが現れるのか注目される。
ポイントを整理すると、
@価格設定中小企業が保有する売掛債権は、大企業の社債などに比較してデフォルト発生率等
の信用データーの蓄積が十分ではない。また、社債のように時価評価の基準となるものもないため、何が適用されるのだろうか。(例えば、平成13年4月から民間金融機関や信用保証協会、政府系中小企業金融機関が参加している「中小企業リスクデ ―ターサービス」が運用されているが、そのようなデーターベースは有?)
A中小企業売掛債権のみのABCPはどこまで拡大するか推定デフォルト率を織り込んだ価格でABCPの買い取りを行えば、日銀のリスクは軽減される。しかし、その場合、中小企業はメリットをあまり享受できなくなるケースも考えられる。また、ABCPを中小企業の売掛債権だけで組成すると件数が膨大になるため、その労力と事務コストも懸念される。このため、市場では中小企業の売掛債権だけを対象とする買いオペを早期に拡大できるのか疑問視する声も聞かれる。他のABCPも買切り対象に含まれるようになれば当然ながら拡大は早いが、その場合、中小企業の資金繰り支援の趣旨が薄れるため、これまでの論調との整合性が問題となる。
B政府系金融機関による保証一方で、政府系金融機関がABCPに信用補完をつければ、リスクが軽減され、しかも均質化されるため日銀は購入しやすくなる。しかし、この問題は、結局は日
銀の代 わりに別の省庁がリスクをかぶることを意味する。統一地方選挙を意識して永田町が積極的にイニシアティブを取る可能性も考えられるが、調整にはもうしばらく時 間がかかると思われる。
なお、1998年10月から実施された中小企業向けの特別信用保証制度の場合は、一部に モラルハザードを招き、焦げ付きが増加したと言われている。それに比較すれば、売掛 債権のABCPを信用補完する方式の方が、大数の法則が働く面もあるため計算上の納税者 負担は少ない(2月19日の日経金融新聞にも掲載されていたように、ABCPを優先部分と劣 後部分に分割して、劣後部分にのみ政府系金融機関が保証するという案もある)。
http://www.boj.or.jp/seisaku/03/mok0302b.htm
http://www.boj.or.jp/ronbun/02/kmr02j04.htm