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「私はスーパーパワーを持っているわけではない」
竹中平蔵経財・金融担当大臣は、いらだちながらこう言い放った。
昨日(4月7日)、竹中大臣はテレビ朝日系列の報道番組『サンデープロジェクト』に生出演した。
前述のコメントは、そのテレビ出演中に飛び出したものだ。まさに竹中大臣の“本音”が飛び出したと言っていいだろう。
先週末の4月4日の午後は、公的資金注入で国が取得することとなった優先株の普通株への「転換指針」を発表した。
簡単に説明すると、この「転換指針」は、3つの“転換基準”によって構成されている。
3つの“転換基準”とは、(1)配当、(2)収益基調、(3)自己資本比率、の3点で、前述の「転換指針」には具体的な数値基準が盛り込まれたのである。
しかしこの数値基準なるものが憤飯モノで、この基準を設定してしまったために、政府が保有する優先株の普通株への転換は事実上不可能になってしまったと言えるだろう。
「特に注目されたのは、“配当”についてです。金融庁は、政府が保有する優先株について、2期連続で無配になった場合、普通株へ転換するという基準を決めたのです。しかもこの基準は、平成15年3月末時点から適用されるのです。つまり、今年度−16年3月期決算の結果が出るまでは、“無配”を理由とする普通株への転換は見送りになってしまったのです」(大手都銀役員)
そもそも優先株には、株主としての議決権が付加されていない。ただし、一期無配に陥れば優先株のままで議決権が発生するが、次の期に復配したならばその議決権は消滅してしまう。
「しかも国−というよりも金融庁は、一期無配のケースでも議決権を行使したことは過去皆無なのです」(金融庁幹部)
そもそも公的資金注入行においては、国が保有する優先株に議決権が発生した場合には、議決権全体に占めるシェアからいって株主総会において国が圧倒的多数を占めることになる。
「そうなった場合には、現実問題として“国有化”あるいは“準国有化”という状況に追い込まれたと考えるべきでしょう」(大手都銀役員)
そして竹中大臣自身、この部分に狙いを定めていたフシがある。
「そもそも竹中大臣のシナリオとしては、主要行のカテゴリーに入る大手行をメーンターゲットにその一角を“国有化”に追い込むことを突破口にする形で、金融改革の進展を促そうとしていたのです。そしてそのシナリオを具体化する上で、最も有力なツールと想定していたのが、『優先株の普通株への転換』だったのです」(金融庁幹部)
しかしそうした竹中大臣の目論見は金融庁の老練な抵抗にあって完全に失敗してしまったと言っていいだろう。
つまり、「竹中プラン」は、金融庁事務方によって完全に骨抜きにされてしまったのである。
その点を突かれて、竹中大臣が思わず口走ってしまったのが、本稿冒頭の発言だ。
「あの発言を持ってして、『金融再生プログラム』が掲げた当初の意義は完全に失われてしまったと言えるだろう。事実上のプログラム生みの親である木村剛氏もさぞ、くやしがっているのではないか−」(金融庁幹部)
竹中vs金融庁の戦いは、どうやら金融庁に軍配が挙がったようだ。
2003/4/7