現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産25 > 230.html ★阿修羅♪ |
|
[東京 3日 ロイター] 榊原元財務官(慶応大学教授)は、イラク戦争によってドル安が加速する可能性を指摘する一方、ドルが1ドル=110円まで下落しても米国が協調介入に踏み切るかどうかはわからない、と否定的な見通しを示した。
ロイター通信のインタビューに答えたもの。
榊原氏は、イラク開戦によりさらに米国の双子の赤字が拡大することや、マーケットがそれに注目することで、米国への資本の流入が一段と細る可能性を指摘し、「ドル安が加速するだろう」との見通しを示した。
こうした局面で、米国がドル安阻止のために協調介入に踏み切るかについては、「本当に危機的な状況になれば別だが、たとえば、1ドル=110円まで飛んだときに、米国が協調介入するかどうかわからない。基本的に介入が嫌いな政権だ」と述べた。
さらにユーロ高・ドル安が進行した場合の欧米を巻き込んだ協調介入にも否定的な見方を示した。
一方、日本の通貨当局が1月中旬以降行っている覆面介入については、「日本の単独介入は容認している。円高を阻止するために入るのは容認するが、円安誘導は容認しない。(米国のスタンスは)非常に明快だ」と述べ、「115円から120円の間で、日本が単独で行うことは米国は容認している。120円を超えての介入にはネガティブだろう」と述べた。
イラク戦争による世界経済への影響については、短期終結でも報復テロの可能性があるなどとし、”短期終結なら経済にとってプラス”との認識は間違いだ、とした。そのうえで、「グローバリゼーションの逆転現象が起きる」とし、「世界同時不況の可能性が、相当高い」と述べた。
米経済についても、既に消費の減退が表面化しており、金融政策による景気刺激チャネルの余地が小さいことから、イラク開戦で「米経済がリセッションになる可能性がかなり高まってきている」との見通しを示した。
ただ、イラク開戦後初の開催となる来週の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、「ブッシュ政権のユニラテラリズムが続く限り、G7の亀裂は簡単に修復出来ない。今後の国際協調体制を変えていく可能性がある」とし、そのこと自体が「経済にマイナスに働く」と指摘した。
具体的なテーマについては、世界経済の不確実性が高まっていることを確認するが、世界経済が不況に入っているわけではないことを確認するにとどまるだろう、とし、為替についても「テーマにはならないだろう」と語った。