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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「外国人は抵抗勢力の味方に?」を挙げる。「構造改革や不良債権処理を叫ぶのは、もう古いのではないか」とすると同時に、「欧米経済の凋落の下で、日本的な経済システムの安定性が見直される時が来たのではないか」との見方を示す。つまり、外国人の間で、いい意味での、日本経済再考が始まる可能性がある、というのだ。「我々は その転機に差し掛かっているかもしれない。日本に対する悲観論一辺倒は通用しなくなる可能性がある」
<激動の世界情勢下、見直される日本のビジネス・モデル> 白川さんは、「構造改革の必要性を叫び、市場主義への徹底した移行を唱える時代は終わったのではないだろうか」と語る。「小泉政権の改革路線は何らの実も結ばず、日本経済に何らの変化もない」と憂える時代は、既に過去のものになりつつあるかもしれない 。世界情勢が激動する中で、日本のビジネス・モデル、あるいは経済政策モデルが、いい意味で見直される時期に差し掛かっている可能性があるからだ。確かに、外的環境は悪すぎる。米国経済の失速懸念、アジア経済の変調リスク、欧州経済の長期停滞観測、など、意気消沈しかねない情報に囲まれている。しかし、そうした中で、「日本経済に対する相対的な評価が高まる可能性がある」と見る。
<第3フェーズ迎えつつある、外国人の対日評価> 個人的には、外国人の日本に対する評価は、第3フェーズを迎えつつあるとみている。第1フェーズは、いわゆる日本バッシングの段階である。「この国はなぜ構造改革ができないのか」という批判であり、怒りである。第1フェーズは一昨年末頃まで継続した。第2フェーズは、いわゆる日本パッシングである。「この国に構造改革する意思はなく、この国の再生を議論することは時間の無駄である」という、諦めであり、無視である。このフェーズは、昨年から始まったものである。そして、一部の外人投資家の間では、現在でも、まだこのフェーズが続いている。
<欧州投資家を中心に第3フェーズへの移行が増加> そして、注目の第3フェーズは、「構造改革の進捗は遅いが、日本経済は金融不安、信用不安を回避しながら、長期的な経済安定を達成しており、投資対象として安心感がある」という、再評価である。悪く言えば、「欧米経済が急激に地盤沈下する下で相対的に日本経済の安定性が見直されているに過ぎない」ということであり、良く言えば、「バブル崩壊後13年の歳月を経て、再び、日本の経済モデルに対する価値を見出そうという動きがある」ということである。現段階では 、この第3フェーズが、単なる相対感によるものなのか、あるいは、日本経済再考の入口にいることによるものなのか、の判断はつかない。しかし、「欧州を中心に、第2フェーズから、第3フェーズに移行しつつある投資家が増加し始めていることは事実である」と言う。