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外為、イラク戦況の消化に遅れがちな国内勢――官製相場に不満 [日経]
【NQN】2日の東京外国為替市場で朝方から続いていた円のこう着相場は正午過ぎに均衡が破れ、次第に下値を探る展開になった。きっかけは塩川正十郎財務相の円高けん制発言。商いが特に薄くなるタイミングに発言が伝わり、円相場は1ドル=118円台半ばまでじりじりと押し戻された。3月決算期末を過ぎて一時は弱まったかに見えた介入警戒感はくすぶるが、これまでの覆面介入の手法に市場が慣れてきたのも事実。世界情勢が緊迫の度合いを強める中、介入の神通力が問われている。
衆院財務金融委員会に出席した塩川財務相は正午ごろ、イラク戦争開始後の為替相場について「いつでも警告的な言動を打っていきたいと思っている。乱高下なく安定して推移してもらいたいと思って注視している」と述べた。折しもイラク戦争は首都バグダッド南方で、これまでで
最大規模の地上戦に突入。戦況を見極めている矢先の円高けん制発言に市場は不意を突かれた格好だ。
イラク情勢が混迷した場合のドル安のために、当局はアナウンスを伴う積極介入の切り札を温存している――。介入警戒派に多いこの読みも、裏を返せば覆面介入の効力の限界を暗示する。外国銀行の間で皮肉混じりに飛び交う「邦銀に集中する覆面介入の依頼は銀行救済目的」との指摘はお門違いとしても、「介入を依頼されているのは一部の銀行だけ」との声が邦銀の間でも少なくないのは、それだけ収益機会が少ない官製相場に対する市場の鬱積(うっせき)を映し出している。
その邦銀の株価は2日、UFJを除く4大メガバンクが上場来安値を更新。過去に見られた「日本売り」の連想による海外勢の円売りは見当たらなかった。イラク情勢をにらんで、国内要因は手掛かりとしての影が薄かった。フランスのドビルパン外相が現地時間1日夜、「フランスはイラク戦争で米国と英国の側に立つ」と従来の反米姿勢を覆す発言をしたと伝わったこともあり、イラクの戦況は、欧州市場が開き始める日本時間夕刻に向けて「早期終結」の見方に再び傾きつつある。海外市場が解釈の主導権を握った格好のイラク情勢以外に材料が乏しいだけに、後追いを余儀なくされる国内勢のため息が漏れてくる。(松村伸二)