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(回答先: 森田実氏:2003.4.1 「日本再生の道」研究――『老子』を知れば道は開ける[1] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 02 日 21:00:06)
アメリカ的価値尊重の風潮は一時的なものにすぎない。アメリカ的絶対善などあるわけはない。
「有無相通ず」(老子)
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「有」と「無」は相通ずる。「有」と「無」は相互に関連し合い、限定し合い、転化し合って、ひとつの統一をなしている(『中国の思想 Y』「老子・列子」、徳間書店刊、奥平拓・大村益夫訳)
「天下みな美の美たるを知る。これ悪なり。みな善の善たるを知る。これ不善なり」(人はみな「美」はつねに美であると考える。美は同時に「醜」である。だれしも「善」はつねに善であると考える。善は同時に「悪」である)のすぐあとに「故に有無相生じ……」がつづく。
すべてこの世のことは相対的であり、相互に転化し合うものである。物事に固執してはならないのだ、と老子は説いている。
米国は今、自らの民主主義と自由経済主義があたかも絶対価値のように信奉し、これを世界中に押しつけようとしている。米英両国は自らの政治体制を武力を使ってイラク国民に強制しようと試みている。イラクの政治体制の善悪を判断するのはイラク国民自身である。ブッシュ米大統領が決めるべき事柄ではない。
米国政府はまた日本に対して米国的グローバリズムを押しつけようとしている。米国が信奉する自由貿易主義、自由競争主義を強制しようとしている。これも同様に正しくない。どのような経済システムを採用するかは日本国民自身が決定すべき事柄である。
米国的な絶対善を信奉し、これを他国に強制的に押しつけようとすることは「悪」なのである。
愚かで軽薄なアメリカかぶれの学者、エリート官僚と一部政治家、一部ジャーナリストが日本のアメリカ化という大愚行を強引に推し進めている。日本の経済社会と政治の混乱の原因はここにある。
米国政府は、自らが1945年6月26日、サンフランシスコで国際連合憲章に署名したときに誓ったことを忘れてしまったのだろうか(以下「国際連合憲章」前文)。
「われら連合国人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、一層の大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、並びにこのために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、国債の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することを決意した。
よって、われらの各自の政府は、サン・フランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける」
この国連憲章が発効したのは1945年10月24日である。
第二次大戦の敗戦国である日本は、1952年3月12日に国連への加盟を閣議で決定、1956年12月18日の国連総会において国連加盟が承認された。
米英両国政府はこの平和の誓いを忘れ、国連憲章を踏みにじって、国連決議のないままイラク攻撃を始めた。ともに重大な国連憲章違反を犯している。
米国はいまや唯一の超大国である。この米国が力ずくで世界を押さえつけようとしている。だが、こんなことが長くつづくはずはない。
『古文真宝』(中国・宋の時代の詩文集)にあるとおり「剛強なるは必ず死し、仁義なるは王たり」(自らの剛強を頼み、力をもって世を制する者は必ず亡びる。これに対し仁義をもって立つ者は王者となる)のである。
日本国内の米国信奉者は米国のために日本の国益を犠牲にして平然としている。日本の国民とともに生きるのであれば、反省すべきである。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0537.HTML