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国家の実力は地方に存する
この徳富蘆花の言葉は正しい。地方が繁栄すれば国全体が栄える。逆に、地方が荒廃すれば国全体が廃れる。今の日本は荒廃期だ。地方再生なしに日本再生はない。ところが政官界の指導層は地方の実状に無関心。地方に犠牲を強いる傾向さえ見られる。2003年の統一地方選挙の最大の課題は、地方が再生への第一歩を踏み出すことができるか否かにある。
だが再生への道はきびしい。第一に中央の政官界に地方の危機についての自覚がない。第二は有権者の政治不信が深刻。第三に立候補者が少ない。第四に政党の組織力の弱体化が著しい。第五に国民と政党をつないでいた社会組織が瓦解状況だ。地方政治の基盤が崩れている。この五重苦を克服する新たなパワーを生み出すことができるか否かに、再生のカギがある。
自ら恃(たの)みて人を恃むこと無かれ
自立の思想を説いた韓非子の言葉。今回の統一地方選立候補者の政治姿勢は二つの分かれる。一つは従来どおり政府にすがり、その助けを得て旧来型地方行政の継続をめざすもの。もう一つは、たとえ中央政府から嫌われ抑圧されることがあっても、地方自立、地方主権の道を進もうとするもの。地方自立は後者が増えるか否かにかかっている。自立派が伸びるかどうかは、ひとえに有権者の政治意識と投票行動にかかっている。
家庭は民族の幸運と不運の源泉である
家庭の大切さを説いたマルチン・ルターの言葉。イラク戦争勃発、小泉政権のブッシュ米政権への追随と地方無視の構造改革の推進により、米国政府と小泉政権への不信が高まっている。「もはや国際政治も国内政治も信用できない。頼るべきは家庭と地域社会しかない」との意識が静かな広がりを見せている。「平和と不況克服、家庭と地域の安定」志向が統一地方選挙の底流にある。小泉内閣に対し、家庭と地域を大切にする政治への方向転換を求める動きがゆるやかに広がっている。この流れがどこまで拡大するかが、統一地方選の最大の焦点だ。統一地方選の結果は5月以後の政局に大きな影響を及ぼすだろう。
【以上は4月1日配信の「コメントライナー」(時事通信社)に掲載された小論です】
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0536.HTML