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中国科学技術発展戦略研究グループはこのほど、製造業の現状と将来、発展に向けた戦略に関する報告書をまとめた。
報告書はまず、現有の製造業がもつ優位性や弱点、直面しているチャンスや危機について分析・総括している。広大な消費市場、安価な労働力コスト、旺盛な起業活力、柔軟性のある生産能力、完備された工業関連施設、多国籍企業や華人を主体とする幅広い国際関係ネットワーク、改革開放を核とする政府の支援の7点を優位性として強調する一方、低い科学技術刷新能力、ブランドの整備不足、物流システムの未整備、脆弱な基盤施設、管理者・熟練者不足の5点を弱点として挙げた。さらに報告書は(1)世界の製造業が生産を大規模に中国にシフトさせている(2)世界の多くの国で経済が低迷し、政治情勢が不安定であるため、各国で製造業の発展に影響が出ている(2)わが国では都市化が急速に進み、生活レベルや消費力が向上している――の3点をチャンスとして強調。わが国の製造業が直面する危機として(1)国内の金融システムはまだ不安定で、金融リスクが依然大きい(2)わが国はまだ社会の転換期にあり、社会の安定を維持することに大きな意義がある(3)周辺国に潜在する政治、経済ひいては軍事をめぐる危険性がわが国の製造業の発展に重大な影響を及ぼすことがある――の3点を指摘している。
こうした分析・総括に立って報告書は、製造業の将来について(1)製造業を中国経済が21世紀のグローバルな分業体制に参与する基盤に位置づけ、国の力を結集して製造業を国際市場で絶対優位に立つ産業に育てる(2)科学技術の刷新を原動力に、製造業の優位性を段階的に競争力の優位性へと転換させる(3)製造業の研究開発や設計に役立つ資源を世界から導入して、製造業を中心とした中国経済の飛躍的な発展を実現する――の3点に概括している。
わが国や世界の製造業の現状を踏まえて、中国科学技術発展戦略研究グループは、わが国の製造業が発展に向けて段階的に実施する3大戦略と5項目の基本戦略を提起した。
3大戦略――(1)第1段階として、2015年までに総生産高で世界第2位をめざし、名実ともに「世界の工場」となる(2)第2段階として、2030年までに総生産高で世界第1位となる(3)第3段階として、2050年までに、製造業を牽引役にしてサービス業を高度に発達させ、研究開発・設計でも先進国レベルと肩を並べる。
5項目基本戦略――(1)製造業を中国経済の持続的な急成長を推進する原動力として、全世界に向けて躍進し、中国経済の国家ブランドを創造していく(2)新素材・情報化・工学設計・設備製造をサポートする科学技術体制を整備して、製造業発展のためハイテクを大量に駆使するとともに、技術刷新と開発を通して世界的に幾つかの面で優位に立つ産業に育てていく(3)製造業が研究開発の需要を牽引し、国の刷新体系を再構築して、世界の設計・研究開発資源を中国にシフトさせていく(4)民間企業の大々的な発展と西部大開発の加速、西部での世界クラスの製造拠点の建設、この2大手段を活用して製造業の規模を持続的に拡大させていく(5)輸出指向と内需の牽引を製造業発展の2大推進力にして、大型多国籍企業を数社育成し製造業の代表として世界に進出させていく。
「チャイナネット」2003年4月1日
http://j.people.ne.jp/2003/04/01/jp20030401_27563.html