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http://www.nier.co.jp/kijikanri/news/news-00493.shtml
不良債権の処理を急ぐと、資源の非効率な活用が加速する。銀行が過大な利益をあげる一方で、その利益が有効に活用されず、国債保有という形で死蔵されてしまうからである。
ゼロ金利政策の最大の弊害は、家計を利子の純支払部門に追い込んだことだ。国民所得統計でみると、2001年の受取利子8兆円に対して、支払利子は15兆円と7兆円の支払い超過となっている。預金等の有利子金融資産を855兆円保有し、負債337兆円を差し引いても、518兆円の資産超過であるのに、である。
これに対して、金融機関の利ざやは34兆円と、家計部門の受取利子の4倍以上の高収益となっている。実際、金融機関の営業余剰は18兆円と史上最高を更新し続け、卸・小売業の17兆円、製造業の12兆円よりも大きいのだ。銀行が赤字決算になるのは、不良債権処理費用が大き過ぎるからである。
不良債権問題がなければ、18兆円の利益は7兆円の税収を生み、純利益の11兆円は資本の増加となり、100兆円を超える信用創造を可能にする。問題は、不良債権の処理をしてもキャッシュフローはそのまま銀行に残り、自己資本規制のため、国債の購入に向かうだけに終わってしまうことだ。
銀行がもうけすぎても、それが有効に活用されるなら許容されるが、現状は、経済に何らの貢献がないまま、家計や企業を疲弊させているだけである。預金金利の上昇がないなかで、貸出金利だけ上げて、不良債権処理を加速させようとする金融庁は、一体何を考えているのか。
それよりも、不良債権を切り離し、時間をかけて処理する一方、正常化した銀行を即座に高収益に戻す方が合理的である。国有化は、そのためのはるかに望ましいスキームなのである。