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▼アドバイザー@/世界的に協調的な追加的金融緩和が必要
UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「金融リフレ協調と日銀」を挙げる。
<金融政策運営の方向性が大きな影響受けるBIS会議> 昨日、BIS(国際決済銀行:本部・スイス・バーゼル)で先進諸国(G10諸国)の月例中央銀行総裁会議が開催された。会議は非公開であり、会議後の記者ブリーフィングも通常は簡素なものであるため、一般の投資家にとっては情報の少ない会議である。しかし、同総裁会議は、政府関係者の出席がない(G7会合は財務大臣が同席)ため、「世界の金融経済情勢と金融政策運営のあり方に関して、よりオープンな討議が行われる」と語る。日銀も、同総裁会議を極めて重視しているが、「金融政策運営の方向性が同会議での意見交換によって大きく影響を受ける場合も多々ある」と言う。
<世界的な金融緩和の程度は不十分> さて、昨日の会合では、世界の景気情勢と追加的な金融緩和の必要性に関して、意見交換が行われたもの、と推察する。そこで、日米の金融緩和の程度が、現在どのあたりの水準にあるのか、事実を確認しておきたい。チャート(後掲)は、 日本のベースマネーを米ドル換算(円高になれば、日本のベースマネーはドル換算で拡大)した上で、米国のベースマネーと合算し、その前年比をとったもので ある。
足元では、日銀と米FEDが供給する流動性は前年比15%程度のペースで増加していることがわかる。直観的には必ずしも低い水準ではないが、「過去と比べると、見劣りする」と言う。すなわち、80年代後半の日本の金融緩和拡大期、およびITバブルとY2Kを背景にした90年代末から2000年前半にかけての時期では、日米ベースマネーは20%を超える勢いで伸びていた。「世界的なディスインフレの進行といった事実と合わせて考えれば、世界的な金融緩和の程度は不十分」であるとして、こう続ける。「協調的な追加的金融緩和が必要である、との議論は可能であろう」 (Aに続く)
▼アドバイザーA/20日決定会合に向け、ETF購入議論加速へ
UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「金融リフレ協調と日銀」を挙げる。
<日銀が取り得るベースマネー供給の選択肢> (@から続く)問題は、「日本における追加的金融緩和の手段である」と語る。これは、ベースマネーを拡大させるに当たって、日銀がどのような資産を買うのか、といった問題である。 選択肢としては、国債、外債、ETF等の信用リスク資産、がある。そして、これら資産のうち、いずれの購入によってベースマネーの伸びを維持するか、といった問を考える上では、「そうした資産購入による弊害は何か、といった視点が非常に重要になる」。国債購入によるベースマネー供給の最大の問題点は、日銀のバランスシートに国債の価格下落リスクが大きく集中し、将来の物価や金利の期待値が不安定化する(通貨価値の期待値が不安定化する)という弊害である。日銀として、そうした弊害の大きさを認識すれば、どうしても購入対象資産の分散を図らずにはいられない。具体的には、@外債購入を採るか、A民間債務・株式の購入を採るか、あるいは、Bその両者を採るか、である。
<米欧中銀、日銀の巨大な債券価格下落リスクを認識> BISの中央銀行総裁会議で実際にどのような議論がなされたかは明らかではな い。しかし、世界的な金融の追加緩和が必要な情勢で、「日銀からは、購入対象資産の分散を図る趣旨が述べられたもの」と予想する。他の中央銀行は、既に日銀のバランスシートが巨大な債券価格下落リスクに晒されていることを認識しており 、リスク分散を提唱している。短期間のうちに、日銀と他の中央銀行の間でコンセンサスが出来上がっていくものと予想される。昨日については、福井総裁からこれといったコメントはなかったが、「来週の決定会合に向けて、ETF購入の議論がさらに加速する可能性が高い」と言う。20日の決定会合後に、ETF購入に関する方向性が打ち出される可能性は引き続き50%程度とみている。