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「結局のところ、地銀や第二地銀といった地域金融機関の不良債権処理については自らの経営体力に応じた形でやりなさい、という形になってしまった観がある。“中小企業の再生と地域経済の活性化”という地域金融機関本来の使命を人質にとったことで、不良債権処理問題に決着をつけることは二の次となってしまったと言っていいだろう」(金融庁幹部)
先週末の3月27日、地銀や信用金庫などといった地域金融機関のあり方を検討してきた金融審議会(首相の諮問機関)は、その報告書をまとめこれを発表した。
実際にこの検討を進めてきたのは、金融審議会第二部会の下に設置された「リレーションシップバンキングのあり方に関するワーキンググループ」(座長・堀内昭義東京大学大学院経済学研究科教授)である。
その報告書には、はっきりとこう明記されている。
「(不良債権処理に関しては大手行と)同様の手法をとることは必ずしも適当ではない−」
それでは、このセンテンスはいったい何を意味するのだろうか。
そもそもメガバンクを含む大手行に対しては、昨年10月末に策定された「金融再生プログラム(竹中プログラム)」の中で、「2004年度末までに不良債権比率を現状の半分程度に低下させる−」という目標が設定され、その達成が義務付けられている。
「そもそもこの目標達成は、小泉純一郎首相の国際公約だったのです」(金融庁幹部)
ところが地域金融機関に対して前述の報告書は、この目標達成を義務付けない、としているのである。
「それというのも、地域金融機関に対して大手行と同様に期限を区切って強引な形で不良債権処理を求めると、再生可能な中小企業まで破綻に追い込みかねない、というのがその理由なのです−」(金融庁幹部)
金融審議会のメンバーの1人が言う。
「しかし、全回一致でこうした“方針”が決まったわけではありません。何人かのメンバーからは、『期限を区切らなければ、地域金融機関サイドも本気で不良債権処理を進めようとはしないのではないか−』という意見が噴出していましたから」
もっとも、最終的には、竹中平蔵経財・金融担当大臣の意向が強く反映される形で、こうした問題先送りともいえる結論に落ち着いたのである。
「しかしそもそも、地域金融機関に関して言えば、利害当事者の一人とも言える木村剛KPMGフィナンシャル社長が、メンバーに名前を連ねていること自体おかしい」(大手銀行役員)
なぜ、木村社長は“利害当事者の1人”なのだろうか。
「木村社長が経営する『KPMGフィナンシャル』は、地銀、第二地銀を主たる顧客とするコンサルタント会社なのです。そうした会社の社長がWGのメンバーに名前を連ねていること自体、強い違和感をおぼえる−」(前述の大手銀行役員)
しかもそのWGがまとめた報告書が、木村社長の顧客とも言える地域金融機関に対して大きく配慮した内容になっていることも何か釈然としないものが残ることも事実だ。
金融審議会には、是非ともその議事録を公開していただいきたいと考えるが、いかがか。
2003/3/31