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「日銀はここへ来て、国内シンジケートローンのマーケット規模を政策的に拡大させていく方針を内々に打ち出してきた。現在、このマーケット規模は約15兆円にすぎないが、日銀としては3−5年後には100兆円程度に拡大させていく方針を固めたようだ…」
メガバンク首脳がこう言ってみせる。
このシンジケートローンとは、“協調融資”ともいい、複数の金融機関が金融団を組成し協同で個別の融資案件に応えていくローン形態のことを指す。
「現在、国内の融資マーケット規模は300兆円。このうち約3分の1をシンジケートローンに切り替えていくというのですから、企業の資金調達のあり方にも相当なインパクトをもたらすことになるでしょう。現在、シンジケートローンを活用している企業は、電力会社級の信用力を持つ優良大企業に限定されていますが、シンジケートローンの市場規模が100兆円程度に拡大していく過程では、格付けが『トリプルC』クラスの中堅企業も対象となってくるのは間違いないでしょう」(前述のメガバンク首脳)
とはいえ現在、このシンジケートローンマーケットは、“ビッグ4”プラス外銀によって独占されているのが実情だ。
それというのも、シンジケートローンを実行する上で必要不可欠な金融団を組成する能力が、ほぼそうした金融機関に限定されているからだ。
以下で昨年1年間の国内シンジケートローン組成額に関する各行別のマーケットシェアを列挙してみることにする。
みずほコーポレート銀行…………………47%
三井住友銀行…21%
東京三菱銀行…14%
UFJ銀行……8%
外銀他…………10%
(注、マーケット規模12.4兆円)
昨年の銀行別マーケットシェアから明らかになってくるのは、意外にもみずほコーポレート銀行(みずほCB)が圧倒的なプレゼンスを確立しているという点だ。
みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)首脳が言う。
「シンジケートローンに関して言えば、旧興銀時代から積極的に取り組んできた成果が出たのだろう。“資本の効率的活用”という意味で、みずほCBのみならずメガバンク各行ともこの分野に力を入れざるを得ないのではないか」
みずほCBの強みは、なんといっても旧興銀時代に金融債の販売を通じて構築した地銀・第二地銀ネットワークにあると言っていいだろう。
「金融団を組成する上で、地銀・第二地銀といかに親密な関係を築くかは極めて重要。一見すると、『火曜会』や『好日会』といった親密地銀グループを擁する東京三菱銀行が強力なネットワークを構築しているかのように見えるが、実はこのネットワークはかなりの部分がみずほCBによって侵食されているのが実情だ」(メガバンク役員)
前述のみずほFG首脳が言う。
「シンジケートローン・ビジネスに関して言えば、東京三菱銀行は全く怖くない。われわれにとっての最大のライバルは、何と言っても三井住友銀行だ。その三井住友銀行はここへ来て地銀・第二地銀ネットワークの強化に相当な力を入れつつある。旧日債銀を前身とするあおぞら銀行の買収に手を挙げたのも、そのセンテンスで考えるべきだろう」
将来的には100兆円規模へ膨れあがるのは必至とみられるシンジケートローンマーケットをめぐって、みずほCBvs三井住友銀行という形で全面対決がボッ発しそうな情勢だ。
2003/5/12