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(回答先: 「2006年に財政均衡」の目標を断念…独財務相 読売NET 投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 11 日 11:23:37)
【ベルリン=宮明敬】ドイツが新たな「戦後」に苦しんでいる。ブッシュ米政権が対イラク戦争に声高に反対したドイツを遠ざけ、代わりに隣国ポーランドを「欧州大陸における最大の盟友」として扱う姿勢を示しているからだ。シュレーダー独首相は9日、ポーランドのブロツワフで開かれた仏、ポーランド首脳との3者会談で、米国などが国連安保理に提出した対イラク経済制裁解除案に前向きの姿勢を示すなど、対米関係改善のシグナルを送っているが、突破口は見えない。アデナウアー旧西独初代首相以来、ドイツが半世紀にわたって築いてきた米国との強固な同盟関係が、たった1度の反旗で過去のものになろうとしている。
シュレーダー首相は9日、在独米商工会議所設立100周年式典で演説し、「米国は、ナチズムに至る歴史的な過ちを犯したドイツの民主的・経済的再建を助けてくれた」と、謝意を表した。首相はまた、パウエル米国務長官が16日にドイツに立ち寄るのに合わせ、17日までの予定だった東南アジア歴訪を短縮し、国務長官と首相の異例の共同記者会見まで設定した。いずれも対米関係改善への意欲の表れだ。
一方で、シュレーダー首相は9日の3首脳会談で、戦後イラクの治安維持を担う多国籍部隊(安定化軍)への参加については、見送る意向を表明した。ドイツ軍の派兵を招請したポーランド政府との間に、意思疎通の不備があったうえに、国連傘下の活動でなければ派兵は難しい、というのが表向きの理由だ。
ドイツにとって、安定化軍への参加は、対米関係改善の糸口になるはずだった。だが、米国の計画では、安定化軍の指揮権はイラクの地域ごとに、米、英、ポーランドが担うことになっている。それは、ドイツとは対照的に、対イラク戦に兵200人を派遣したポーランドへの“論功行賞”とも言えるものだ。
ポーランドは、兵力的にも財政的にも米国の負託に応えるのが難しいという事情があり、ポーランドのシュマイジンスキ国防相は、ドイツ・ポーランド・デンマーク3国合同部隊(在シチェチン)を安定化軍の中核にする意向を示し、ドイツに参加を求めた。だが、保守系のウェルト紙によれば、ドイツにはそれが、「隣の小国が、本来はドイツが担うべき役割を引き受けて威張っているように」見えた。米国の盟友を自任してきたドイツの自尊心は傷つき、参加拒否につながった。
米国がドイツ国内の米軍基地のポーランドへの移転を検討しているとも報道され、米国の盟友としての地位をポーランドと競わされる格好となったドイツには、米国に重用される隣国への不信感さえ芽生え始めている。
(2003/5/10/23:03 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030510id28.htm