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政府税制調査会(首相の諮問機関)は、将来、消費税率を引き上げる際は、低所得者層ほど負担感が増す「逆進性」に配慮して、税額の一部を払い戻すリベート制の導入を検討する方針を固めた。
2010年ごろをめどに、現行5%の税率を「2けた」を視野に引き上げるべきだとの考え方とともに、6月にまとめる中期答申への盛り込みを目指す。
政府税調は、3年に1回、中長期的な税制改革の方向性を示した中期答申をまとめており、今年は13日の基礎問題小委員会から、とりまとめへ向けた本格的な作業に入る。
消費税に関しては、小泉首相が在任中の税率引き上げを否定している。しかし、政府税調内では、拡大に歯止めがかからない年金や介護、医療などの歳出を賄うには、中長期的には消費税の税収増による財源手当てが不可欠との考え方が大勢だ。
このため、2000年7月の前回中期答申では、20%前後の間接税率が一般的な欧州各国の例などを念頭に、「(消費税率)5%は先進国の中で最も低い水準」との表現で、税率引き上げの必要性を示唆した。今回答申ではより具体的な引き上げの姿を示したい考えだ。
ただ、消費税率の大幅な引き上げは、国民の負担増に直結するため、税率引き上げと同時に、低所得層などに配慮した負担緩和措置導入も打ち出す。
その柱の1つが、税額の一部相当分を払い戻すリベート制度で、カナダなどですでに実施されている。カナダでは、納税者が年収や家族構成を申告すると、年4回に分けて払い戻しを受けられる仕組みで、既婚世帯の場合、本人と配偶者は1人あたり年額213カナダ・ドル(約1万8000円)、子供は同112カナダ・ドル(約9500円)が還付される。世帯所得額が原則、2万7749カナダ・ドル(約240万円)を超えると全額は支給されなくなる。政府税調では、日本で実施する場合の仕組みや、払戻額の決め方などを検討する。
政府税調はこのほか、一般的な消費税率を引き上げても、食料品など生活必需品に関しては税率を5%に据え置く「複数税率」の採用なども打ち出す方向だ。これらの負担緩和措置を同時に実施することで、税率引き上げに対する消費者の反発を和らげたい考えだ。
ただ、消費税率引き上げには、与党内などに反対の声も根強く、中期答申が方向性を打ち出しても、実現には曲折が予想される。
◆消費税の逆進性=高額所得者ほど、所得のうち貯蓄に回す分が多く、消費の割合は低い傾向にある。一方で、必要不可欠な消費は削りにくいこともあり、所得が低い人ほど、所得に対する消費税の負担率が相対的に高くなる。財務省によると2000年の消費税負担率は、年収1200万円台の人では2%なのに対し、300万円台の人は2・8%となっている。
(2003/5/10/14:34 読売新聞 無断転載禁止)