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今年に入ってゴルフ場の破たんが急増、過去最悪のペースとなっている。景気低迷でゴルフ場本体の収益が悪化しているうえ、金融機関の不良債権処理の加速化に伴い、バブル期にゴルフ場開発に参入した企業が傘下のゴルフ場の処理を迫られているためだ。バブル期に開業したゴルフ場が預託金の返還請求時期を迎え、返還資金を用意できずに法的整理に追い込まれるケースも増えている。(浜中 昭彦)
●過去最悪
2月18日に国内28コースを保有するゴルフ場運営会社大手「日本ゴルフ振興」(本社・大阪)と関係会社3社が民事再生法の適用を申請して経営破たんした。負債総額は計3601億円で、今年の破たん企業の最高額だ。大西進社長は「長引く不況で利用者数が減少しているところに、価格競争が激化して売り上げが低迷した」と説明する。
民間の調査機関、帝国データバンクによると、今年1―2月のゴルフ場破たんは25件で負債総額は前年同期に比べて約2倍の8237億円。3月24日には千葉県のゴルフ場経営会社が資金繰りの悪化で72億円の負債を抱えて破たんした。
ゴルフ場の破たんは2002年に109件と前年の53件から一気に倍増、負債総額も2兆1954億円と過去最高に達し、帝国データバンクは「今年も厳しい経営環境が続く」と予測している。
●背景
親会社の再建や破たんに伴うゴルフ場の破たんが目立ってきている。2月28日には、2度目の債務免除を受けて再建中の藤和不動産の関連ゴルフ場「高宮カントリークラブ」(広島)と、経営破たんした長崎県のリゾート施設「ハウステンボス」グループの「ケイ・ティ・シー」(長崎)が相次ぎ民事再生法の適用を申請した。不良債権処理の進展とともに、こうした連鎖型のゴルフ場破たんが増えそうだ。
また、バブル期に開業したゴルフ場が預託金の返還請求時期の10年目を相次いで迎えていることも大きい。2003年に返還期限を迎える預託金は1兆7億円と5年連続で1兆円の大台を超える見込みだ。しかし、多くのゴルフ場で返還資金が不足しているとみられ、債務の大幅カットを受けるため法的整理に追い込まれるゴルフ場が予想される。
●外資が支援
破たんしたゴルフ場の支援企業に、資金力のある外資系投資会社が名乗り出るケースが増えている。米ゴールドマン・サックスグループは97年に破たんした日東興業グループ(東京)を買収、昨年破たんしたスポーツ振興(大阪)も支援し、国内61コースを傘下に収めた。投資ファンドのローンスターも昨年破たんした地産(東京)やエスティティ開発(東京)などの支援企業となった。破たんしたゴルフ場を低価格で買収し、収益を向上させてから売却したり、株式上場益を確保するのが狙いと見られている。
一方、日本企業の多くは、ゴルフ場支援には消極的だ。ゴルフ場事業協会によると、2001年のゴルフ場は2452か所と92年から400か所以上増えたが、利用者総数は9017万人と92年の88%まで急減した。日本ゴルフ場経営総合研究所の調査では、全国のゴルフ場の7割が営業赤字に陥っており、今後も外資の傘下で再建を目指すゴルフ場が増えそうだ。
(2003/3/30/21:45 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20030330ib21.htm