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UBSウォーバーグ証券会社・経済調査部チーフエコノミストの白川浩道さん(Hiromichi Shirakawa/ Chief Economist, UBS Warburg (Japan) Ltd.)は今日のポイントとして、「日銀ETF購入(続々)?」を挙げる。昨日の経済財政諮問会議後、日銀によるETF購入に関する具体的なコメントはなかった。しかし、見逃してはならないコメントがあると言う。それは、福井総裁の「株価の動きを考慮して金融政策をやっており、これからも十分に注意して対応していく」というコメントである。歴代の日銀総裁の中で、これだけはっきりと株価に対する姿勢を示した人物はいない。「(露骨な株価対策は避けたいが)株式 市場に絡む政策措置を何らかの形で打ち出しますよ」という政治家へのメッセージである、と捉えている。なお、白川さんは、日銀のETF購入に関しては、以下の点(ほぼ原文通り)を念頭においておく必要があると言うーー。
<日銀主導でのETF購入決定とのシナリオ>
【1】 福井総裁は、日銀主導でのETF購入決定といったシナリオを描いている。 したがって、政府の株価対策の中にETF購入が組み込まれてしまうことをひどく嫌っているとみられる。こうした日銀の反応を受け、政府(経済財政諮問会議を含め)サイドも、ETFに関してかなり気を遣っている。これが、閣僚からETFに関する発言があまり出てこない所以である、と推察する。
【2】 福井総裁のその周辺の意図は、極めて明らかである。彼らの考え方は、「中央銀行として運用対象資産の分散を図ることこそ、通貨の信認維持に繋がる」というものである。ETF購入とインフレ・ターゲットを結びつけるような意図は全くないものとみられる。純粋に、バランスシートの健全化を狙った部分が大きい。また、日銀として、国債市場に過度な介入を行ってしまったという反省も極めて強い。
【3】 福井総裁は、既に、政府や金融機関との間で調整に入っているとみられる。ETF購入=国債購入ペースの鈍化、といった連想から長期金利が上昇するリスクを念頭に、高水準の当座預金残高維持に早々とコミットした。また、日銀のETF購入決定が、ETFの新規組成や銀行の株式オフバラ化にどの程度貢献できるのか、といった点について既に意見交換が行われている可能性が高い。
<ファンドマネージャー部隊作り、アクティブ運用を目指す可能性も>
【4】 福井日銀は、運用資産の分散にかなりご執心である。国債一辺倒からの脱却を目指す姿勢は予想以上のものがある。日銀が、今後2−3年のうちに、資産運用の多様化を保証する「日銀新法」の制定に打って出る可能性すらみえてきた。 また、内部に、ファンドマネージャー部隊を作り、アクティブ運用を目指す可能性もある。日銀が「国債をウルトラ・パッシブに買う」時代の終焉が見え始めている。