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政府の「セーフティーネット」論をどう考える?
〔2001・8・18(土)
〈問い〉 政府・与党は「不良債権処理」で失業者が出てもセーフティーネットを準備したから大丈夫だという議論を展開しています。共産党は、この議論をどう考えますか。(千葉・一読者)
〈答え〉 小泉内閣の閣議決定した経済財政運営の「基本方針」(「骨太方〕針」)は、「聖域なき構造改革」を旗印に、不良債権の「最終処理」を掲げています。不良債権を二〜三年内に処理す
れば、中小零細企業を中心に数十万社が倒産させられ、百数十万人の失業者が新たに発生することが民間調査機関の分析で予測されています。
「骨太方針」も失業者の大量発生を否定できず、「ある程度の影響があることは否定できない」とのべざるをえません。この影響を抑えるためとしてあげるのが、「セーフティーネットの一層の充実を図る」ことですが、具体的内容は何もありません。当面のセーフティーネット(安全網)としてあげられるのは、雇用対策法、雇用保険法、離職者向け教育訓練その他の従来の制度・施策の活用とその延長線上での施策です。これらの制度でいえば、政府は「充実」どころか、今年度の雇用保険予算の失業給付費を六千億円も削るようなことをしてきたのが実際です。
「骨太方針」はまた、サービス部門への労働移動を円滑にすれば「五年間で五三〇万人の雇用機会の創出が期待される」といいますが、これもその保障には何の根拠もありません。