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中国の第10期全国人民代表大会(全人代=国会)第1回会議が18日に閉幕し、胡錦濤国家主席―温家宝首相の新政権がスタートを切った。急速な成長路線をひた走る中国だが、国有銀行の2兆元(約30兆円)と言われる不良債権問題が経済の不安要因として内在している。温首相は、全人代閉幕後の記者会見で、不良債権処理に取り組む姿勢を強調したが、具体策には言及せず、根本的な解決の難しさを印象づけた。(北京・東一真)
温首相は会見で、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行の「4大国有銀行」の不良債権について、総額は示さなかったものの、総融資額に占める不良債権比率が25%前後に達していることを明らかにした。
そのうえで、政府はこれまで、4大国有銀行に対する総額2700億元(約4兆円)規模の資本注入などを実施し、不良債権処理に積極的に取り組んできたと強調した。しかし、今後の対策については、「根本的な解決には改革が必要」と述べるにとどまり、新たに財政資金を投入するかどうかなどは明言を避けた。
不良債権問題の存在は、深刻な失業への対応など、中国が経済発展を続けるのに必要な政策の実行を難しくしている。
例えば、中国の農村部の余剰労働力は昨年末で約9000万人、都市部の失業者数は770万人に達する。政府は、雇用の受け皿として労働集約型中小企業の振興に躍起だが、不良債権を抱える4大国有銀行の「貸し渋り」が、中小企業の育成を妨げている面が強い。
不良債権の早期処理には、「もう一段の大規模な財政支援が必要」(日系金融筋)と見られる。だが、積極財政を進めてきた中国政府は、今年、過去最大の3198億元(約4兆8000億円)の財政赤字を計上する見通しで、新たな財政支援は難しいとの見方もあり、新政権は、厳しい立場に立たされる。
このほか、温首相は為替政策について、当面、人民元の切り上げは行わない意向を示した。ただ、安い人民元相場の下で高成長を続ける中国の姿には、日本をはじめとした国際的な反発が強まっており、為替政策のかじ取りも、新政権の大きな課題となりそうだ。
(2003/3/18/22:25 読売新聞 無断転載禁止)