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(回答先: Re: あっしらさんへのお答えの@ 投稿者 ビルダーバーグ 日時 2003 年 4 月 16 日 17:56:55)
ビルダーバーグさん、レスありがとうございます。
● アルカイダ評価
アルカイダに関する基本的な評価は、『アルカイダはローカルなイスラム復興組織』( http://www.asyura.com/sora/bd15/msg/585.html )を参照してください。
一部は露呈していますが、アルカイダには大量の米英エージェントが入り込んでいると推測しています。(タリバン政権にも米英エージェントが入り込んでいました)
そして、ウサマ・ビンラディン氏やザワヒリ氏についても、米英のエージェントである可能性を考慮しています。
最大の根拠は、タリバン政権から国外退去を求められてもアフガニスタンを出なかったことです。
これについても、自分たちがアフガニスタンを出たからといってアフガニスタン攻撃がなくなるわけではなく、アフガニスタンに入ってきた米軍と戦いと考えた結果だと推測することもできると思っています。
次なる根拠は、米国政権が今なお彼らを拘束したり殺害していないことです。
これも、彼らは巧妙に逃げ回っているからだと解釈することはできません。
オマル氏もちゃんと隠れていますから、ウサマ・ビンラディン氏やザワヒリ氏も可能だったと言えます。
米国政権は、アフガニスタンで消耗戦を強いられているので、国際的に利用価値があるビンラディン氏は泳がせるとしても、タリバン勢力の指導者であるオマル氏は拘束したいと強く願っているはずです。
アルカイダについては、トップも米英のエージェントである可能性を捨て切れないというのが現段階での評価です。
● 戦況問題
>もっとも、この南部での”善戦”もフセイン政権を迷わせ、バグダッドからイラク軍
>精鋭地上部隊を戦車とともにおびき出して空爆でやっつけるためのワナだった、とい
>う説も出ているようですね。まあ、記者会見でのラムズフェルドの激昂ぶりからみて、
>そうも思えませんが。演技だったとしたら、ラムジーの「悪さ」も想像を絶するもの
>だ、という気がします。
お読みになったかどうかわかりませんが、制空権を失い圧倒的な空軍力の脅威にさらされているイラク軍は、バグダッド市街戦に備え戦車を発見されにくいところに温存しておくべきであり、民兵による遊撃戦と巧妙に篭った塹壕陣地で侵略軍に対抗すべきと書いてきました。(この「論議」ボードの猫人さんとのやり取りを読んでもらうのが簡潔でいいかもしれません)
そのようなことから、南部の善戦に乗じてイラク軍精鋭地上部隊が戦車とともにのこのこ出ていったという報道を見聞きしたら、その時点で、それを論拠にした「合作説」を提示したはずです。
その「合作説」の論拠は、フセイン政権中枢が、精鋭部隊を人身御供として差し出し、自ら敗北を招いているというものです。
そして、この場合は、バース党上層部と軍上層部が対立関係にあるという傍証にもなります。対立関係にないのなら、一体となって合目的的な動きを示すはずだからです。
米英侵略軍と戦う決意を放棄しない軍機構に業をにやして、フセイン政権が“自爆攻撃”を仕掛けさせたという構図です。
しかし、そのような命令を軍に出したら、「ふざけるな」とクーデタが起きた可能性が高いと思っています。
ですから、南部の善戦は、南部シーア派の民兵が果敢に戦ったという見方が妥当だと思っています。
● 今後の予測
>イラクのアフガン化は米国にとっては、最も避けたいオプションのひとつでしょう。
米国政権は、逆に、イラクのアフガニスタン化を意図していると見ています。
カルザイ政権に相当するのが米英主導の占領政府、北部同盟に相当するのが旧フセイン軍事警察機構、タリバン+反米勢力が南部シーア派+反占領勢力といった構図になると見ています。
米国政権は、中東全域の「近代化」を目的としてイラク侵略戦争を開始したのですから、イラク情勢をその目的のために最大限利用しようとするはずです。
南部シーア派の動きは、シーア派イスラム主義政権であるイランに対する策動を追及する大きな言い訳になります。
>小生はフセイン支持派も一定の力をのこしているのてではないか、と思っています
>が、内戦激化の主導権は握れないでしょう。
フセイン支持派は、米英占領軍の傭兵やお抱え官僚になるかたちで一定の力を残すと見ています。
そして、反占領の戦いを米英占領軍の傭兵として戦うことで、ある意味内戦激化の主導権を握ると思っています。(これは、遅くとも夏までというそう遠くない将来に見えてくるはずです)
>不安定化のカギは、キルクークを押さえたクルド人の動向(独立国家となるのか)
>と、シーア派対スンニ派の関係でしょう。
>もちろん、同じバース党から誕生したシリアもからみますが、クルドではトルコ、イ
>ランの出方むと、クルド人問題の対応を検討したのかどうかも怪しい「ネオコンサ
>バ」どもの出方でしょう。クルド人はイスラエル、パレスチナ問題とのからみが(小
>生の知る限り)希薄なようですので、ネオコンはイラクの暫定政権の安定問題と、石
>油がらみで対応するのでしょう。
不安定化のカギは、「合作説」かどうかは別として、フセイン政権中枢の代わりに米国派遣政府がトップに就いてイラク支配を始めたのだと多くのイラク人が認識することにあると思っています。
米国政権は、おこぼれはあるとしてもキルクークの原油権益をクルド人に渡すはずもなく、現状では独立国家の樹立も認めることはしません。(クルド人問題を策動に使うとしたら、イランを標的にしたときであり、クルド人に独立国家樹立を唆すとしたら、トルコを標的にしたときです)
反フセイン&反占領支配のスンニ派はシーア派と連携し、フセイン派のシーア派は、フセイン政権時代と同じように振舞うという見方をしています。
フセイン一派は、バース党理念の裏切り者でシリアとは断絶状態にありました。
>陰謀説らついては、ペンタゴン突入は大いに疑問があり「やらせ」と言う気もしま
>す。しかし、アルカイダが米国のアセット、スリーパーエージェントということがま
>だ、十分には証明されていない、と思います。全て、ウォルフォビッツの陰謀だ、と
>どなたかが、言っていましたね。
前回書いた「また、米国政権はそう主張し、米国民もそれに引きずられた意識を持っていることは認めますが、フセイン政権とアルカイダの関係はなんら証拠付けられていないのに、「フセイン政権を潰し、両国の軍人を含めば、数万人の死者を生じさせたのは、オサマ一派の無責任極まる挑発のせい」だと結論付ける根拠をお示しください」に応えたものだとは思えません。
“飛び火”は避けたいと思っていますが、昨今の国際情勢のなかで、「フセイン政権を潰し、両国の軍人を含めば、数万人の死者を生じさせたのは、オサマ一派の無責任極まる挑発のせい」だと書いたことの重大性を問題にしているから、そのような結論を導き出した根拠の提示を求めているのです。
● 「合作説」問題
>ただ、自分の予想した展開と違ったから、と言って、全てを陰謀だ、というと、要す
>るに「この世界で起きることは全てがフェイクだ」ということになります。あっしら
>さんの予想したような戦局にならなかったとすれば、一番には、あっしらさんにイン
>プットされていた軍事情報が間違い、インチキ、フェイクだった、と思うべきではな
>いか、と思います。
>大きくずれたとすれば、「前提に組み込んでいなかった陰謀、裏取引があった」とみ
>るよりは、戦局等の情報が誤報、インチキ、事実誤認だった、とみるべきだ、と思い
>ます。戦争では、交戦国双方があらゆる”ウソ”を大本営発表するのは当たり前であ
>り、これは、近代戦争の特徴である「国家総力戦」ということのひとつの証明です。
「自分の予想した展開と違ったから、と言って、全てを陰謀だ」と判断された根拠をお示しください。
「あっしらさんの予想したような戦局にならなかったとすれば、一番には、あっしらさんにインプットされていた軍事情報が間違い、インチキ、フェイクだった、と思うべきではないか」と思い様々考えたからこそ、「合作説」を提示したのです。
また、開戦後にはイラクが負けない予想を提示し続けたましたが、開戦前には、米軍は合目的的な作戦を実施するはずだし、南部地域であれほどの抵抗があるとも予測していなかったことから、米英の形式的な占領支配までは進むと予想していました。
そのような意味で、現状のイラクは、開戦前に予測したものに近いものであり、開戦前に書いた次の三つの書き込みもそのまま有効だと考えています。
『日本やドイツで成功した占領政策が通用せず、勝利できない戦争に足を突っ込むのは愚か − 米国に勝手にやらせればいい −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/405.html )
『【国際情勢を考える手掛かり】 {(近代産業主義 Vs. 近代金融主義) Vs. (イスラム近代派 Vs. イスラム利権派)}という対立図式 − 日本が立っている歴史的岐路 −』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/632.html )
『【国際情勢を見る手掛かり】 世界の対立構図は今後どのように変容するのか』
( http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/638.html )
>もっとも今回は、どうも一方が総力戦をしなかったのではないか、というのがあっし
>らさんの新たな追求の理由でしょうが。
新たな追求の理由は、前回のレスで書いています。
「どうも一方が総力戦をしなかったのではないか」という終わってしまった事象はどうでもいいことです。
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「フセイン派は、米軍が中東から撤収するまで、残った軍事力を温存し、イラク人政権の統治に移行したら、ゲリラ戦に売って出て「アフガン型」へ持ち込もう、というオプションでしょうが、ちょっとフセインにそれだけの民衆の支持基盤が残っていないのではないでしょうか。」
このような見方がはびこることを危惧しているので、「ブッシュ−フセイン合作戦争劇」の検証を呼びかけています。
米英の占領支配を撃破しようと戦う勢力が、フセイン派だとみなされて虐殺されたり拘束されることを「フセイン支持の生き残りではしかたがないわな」と容認するムードが国際社会にはびこることがどんなにか危険なものであるかは想像できるはずです。
「ちょっとフセインにそれだけの民衆の支持基盤が残っていない」かどうかを、イラク全土を一律に判断することは危険です。
これまでの戦争の経緯を捉え直せばわかるように、元々フセイン支持派が多かった北部が無抵抗で、逆に、反フセイン派が多かった南部が激しい抵抗を示したのです。
お示しになられた論では、ゲリラ的な米支配反対闘争がそれなりの規模と継続性で起きたら、“フセインにそれだけの民衆の支持基盤が残っていた”ということにもなりかねません。
「ブッシュ−フセイン合作戦争劇」という見方に立つ者として、米英支配に対抗する運動は南部地域を中心に進められ、北部地域は支配者が新しくなったという感じで推移するのではと見ています。(バグダッドは錯綜した地域になると見ています)
このような状況で、“フセインにそれだけの民衆の支持基盤が残っていた”、「フセイン支持の生き残りでは殺されてもしかたがない」という認識が広く持たれることがどれほどの悲劇か考えてみてください。
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>ついでに、老婆心ながら、情緒安定度が高い、とみえていたあっしらさんも、やや、
>分析、情報発信のし過ぎ(仕事上のストレスについては承知していませんが)による
>「疲れ」「苛立ち」が感じられます。投稿本数を少しさげられるのもいいのではない
>か、と思います。
すみちゃんへのレスで、心身ともに疲労気味と告白したように、ご指摘の通り、「疲れ」と「苛立ち」を感じています。
理性は心地いい感性のための手段だと思っていますので、「苛立ち」を解消するために、書き込みを行なっています。
(「苛立ち」をぶつけられるほうはたまらんという非難を受けそうですが、これでも、「苛立ち」を論理に出来る限り昇華させて書いているつもりです。ひとの態度についてあれこれ言えば、感情や「苛立ち」の噴出と受けとめられることは承知していますが、議論では論理よりも態度(生き様)を重視する価値観を持っているのでやめられません(笑))
これでも、能力の限界から、書きたいことの1/10も書き込みしていません。
また、「苛立ち」をぶつける書き込みも抑えています。
(おかしな言い方ですが、ビルダーバーグさんやWWさんに「苛立ち」をぶつけるのは、そうするだけの価値があると思っているからです)
ビルダーバーグさんには釈迦に説法かもしれませんが、こうして議論をしているのは、勝ち負けを決したり多数派を形成することを目的としているわけではありません。
(だから、WWさんのようなここの読者が私とのやり取り内容の理非を判断するだろうと言われることに、ますます「苛立ち」を感じております)