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フセイン−ブッシュ取引を「強制収容所」説に基づいて考える
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/981.html
投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 4 月 16 日 14:57:03:xnvpUXgHxuDw6

   フセイン−ブッシュ取引を「強制収容所」説に基づいて考える

   本投稿では、徐々に不確実な推論へと入っていきます。
   しかし、今後の推移を見守ることによって、ある程度検証可能な内容なので、投稿しておくことにしました。
   以下が前提となります。

   (フセインはイラク全土を強制収容所として米国に献上した
    http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/962.html
    悪魔的策謀の刻印−今次イラク戦争とボーア戦争
    http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/934.html
   (【「イラク侵略戦争」のこれまで】 「ブッシュ−フセイン合作」の“戦争劇”は終わった −http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/865.html投稿者 あっしら)

       以下の説を順次検討します。
        (フセイン主導説)
        (高官裏切り説)
        殉教精神に燃えるフセインを側近が始末し、米国政府に通告というパターンです。
        (フセイン死亡、脱出説)
         フセインがいなくなってから側近間で意見が一致というパターンです。 

     (整然とした投降− 指揮命令系統は正常であるらしい)
      共和国親衛隊が、指揮命令系統を残したままで整然と投降しているようです。
      フセイン政権は、軍と警察機構とを、居抜きで米国に「献上」したようです。
      現時点まで、その指揮命令系統は正常に作動していたようです。

      このような整然とした投降は、「無条件降伏」の指示が出されていることを意味しているはずです。
      しかも、正規軍の大部分が、特にフセインに近い部隊が、ハネ上がりなしに整然と投降しているわけですから、フセイン(あるいはその直接の代理人)のレベルから投降指示が出されていると推定できます。
     
      (フセイン政府の行動にみる強烈な思想性)
       上投稿で書いたように、フセイン以下は、イラク全土を一種の強制収容所として統治可能なように、軍−警察機構と莫大な個人情報を献上しました。
       戦争開始後に、バグダッドに米軍先鋒が迫ってから降伏というパターンでは、これほどの意思統一は困難に思われます。 この点を検証してみます。

       根本的な問題として、イラク政府の行動には、強烈な「思想性」が感じられます。 断固とした売国行動です。
       秘密警察機構(その情報)や親衛隊を居抜きで占領軍に献上! これがどんな意味を持つか、フセインは熟知しているはずです。
       まだ南部では死闘が続いているのです。 占領下でも苛烈な闘争と弾圧とが予想される状況です。 この状況下において、自分の側に立って抵抗する国民の個人情報を献上! 普通じゃありません。 
       フセインの強烈な個性を感じます(主観ですが)。 いかがでしょう。 フセイン主導の降伏であると考える根本的理由です。
        なお、彼が何年も前からこの世にいないという説もありますが、私には是非を判断できませんのでパス。

       (フセイン政権降伏の動機を考える−部族の維持)
       フセイン政権がなんで「無条件降伏」したのかと言う動機を検討しましょう。 
       おそらく部族の維持ではないかと考えています。

       私の乏しい知識によれば、イラク国内は部族(イエ、ムラ)社会優勢です。
       フセインも個人ではなく、族長としての立場があります。
       この点がヒトラーと違う点です。
       アゾレス諸島で一人でカクテルを飲むのは、ヒトラーには似合いますが、フセインには似合いません(ちょび髭を切っていることは賭けてもよいです)。
       フセイン統治は、良くいわれているように、彼の部族による国家の私物化の側面が強かったと思います。
       彼の部族は、主立ったところでも数十人、全部入れると何人くらいでしょうか? 膨大な人数に違いありません。
        
        こういう状況はいわゆる「サブノルム集団」と言えます。
        近代国家の利益や法律よりも、下位集団の利益や法律を優先するという立場です。 近代国家は、サブノルム集団が増殖、成長すると死に至る傾向があります。

        フセイン政権の上層部が「部族」であり、サブノルム集団であったと考えれば、イラク国民を犠牲にして部族単位で生存を図ることは考えられることです。
        日本でも、国家が破産しても自社だけは生き残るという構えの会社や財閥は多数存在しています。 こうした行動パターン(エートス)が行き過ぎると、一種のサブノルム集団化すると考えて差し支えありません。

        フセインの行動は、個人単位で分析するのではなく、部族集団としても考える必要があると思います。
        こういう観点から見ると、側近主導説やフセイン死亡、脱出説は、個人単位で考えているキライがあり、実情に合っていないのではないかと考えています。
        (もちろん部族社会の悪口を言っているわけではありません。 誤解なきよう。 最終的にはフセインの下で部族がまとまっているはずだという「意思決定過程」を推定しているのです)。

        (バグダッド無血占領説の流布)
        前投稿でも指摘しました。
        参考(バグダッドの株式市場はなんと上昇しているらしい
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1115.html 投稿者 Ddog)

       無血占領の筋書きは開戦前から流布されていたんじゃないでしょうか? 詳しい方はご教示下さい(私は買ってません(笑))。

      フセイン政権は、開戦前から降伏と警察機構、軍機構の米国への献上を決定していたというのが結論です。

      (米国側がイラク政府の降伏を理解した時期)
       (米軍が12万人の地上部隊でイラク支配戦争に踏みきった自信が何に由来しているとお考えなのかということです。)

        あっしらさんはこれを検討しろと仰いますが、無茶ですね。
        以下は推測ということで。
 
        米軍がフセインの方針を戦争の最終局面で知っていたことは間違いありません。

        戦争開始時点において、フセインの方針がブッシュに伝達されていたという可能性は高いと思います。
        ただし、この時点では、誰か使者を立てて内々に一言だけ伝達するといった状況ではなかろうかと思っています。 正式(?)に密約まであったかどうかは良く分かりません。

     フセインとラムズフェルドはマブダチです。 イラン−イラク戦争当時ラブラブだったことは有名です。 一緒に悪事を働いた仲です。
     犯罪ほど強く人と人とを結びつける絆はありません。
     フセインが、警察軍事機構を引き渡すから俺と親戚をよろしくと一言いえば、心が伝わるんじゃないですか(げっ、吐きそう)?

      開戦前の密約はあったと思っていますが、せいぜいこの程度のものではなかろうかと想像しています。
      細かい条件は後で詰めるという程度ではないでしょうか?

      (今後の進展)
      フセインやその一族は「バクダッド」裁判に付されるんでしょうか?
      上の推論が正しいとすれば、生死不明のうちにウヤムヤにしてしまうとも考えられますね。 米国側から見ると一種の「司法取引」です。 髭を剃ることは必須です。
      
      警察機構や軍機構に対する私見が正しいかどうかも、やがて明らかになることです。 イラクに出張する日本人マスコミは頑張ってくださいね(無理か?)。

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