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フセインはイラク全土を強制収容所として米国に献上した
うわっ。 強烈な表題ですね。 まずいかな。
合作説を検証すると言っても、私には、阿修羅掲示板に載っていないような特別な情報はありません。
そこで、私の目から見た今次イラク戦争の姿について書いてみる中で可能性を検討してみましょう(従って以前の投稿とダブル部分もあります)。
(戦争の基本性格について)
○ 今次イラク戦争について、私は「ボーア戦争」を連想しています。
(悪魔的策謀の刻印−今次イラク戦争とボーア戦争
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/934.html)
これは、「寄生者」がネオコンに中東平定をアウトソーシングしたという理解によります。
ボーア戦争において、英国は強制収容所を建設し、ボーア人の女子供を次々に放り込みました。 妻子を強制収容所に放り込まれたゲリラは投降しました。
ネオコンは、寄生者からアウトソーシングを受けているだけの存在であり、失敗したら直ちにお払い箱です。
ご主人の無茶苦茶な意向を実現できなければ、(多分)自分の命もありません。
そこで、前代未聞の蛮行を実行して事態を打開するというわけです。
その蛮行は、普通の人間には想像のつかない独創的、芸術的なものであるほど、仲間うちでは尊ばれるようです。
(戦争開始前に考えたこと)
正規軍の戦力は巨大な差があり、勝負になりません。
そこで、イラク側の選択肢は以下の二つとなるはずです。
(1) 市街戦で徹底抗戦する。
(2) あっさりと降伏する。
市街戦で徹底抗戦というパターンは、あまり考えられないように思いました。 正規軍の力に差がありすぎるので、イラク側に勝利の展望があるように思えなかったからです(この時点では私は米軍の戦力を良く理解していませんでした。 当然、圧倒的な戦力があるものと考えていたのです)。
当時の考え方を示す投稿です。
(Re:イラク占領政策の未来を覗く
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/607.html)
要点は以下のとおり。
戦争は早期終結し、米国はショーウインドウ的統治を始めようと試みます。 しかし、米国が国民の価値観に介入することで混乱が増大し、統治に失敗し、もしかすると大戦の引き金を引きかねないという内容です。
(戦争開始前に重大だと考えたこと)
一つはトルコからの侵攻が無理になったことです。
ネオコンはトルコ政府の横面をドル紙幣ではたき、これを交渉と呼ぶという愚行を犯しました。 政府間交渉はエンコーではありません。
この交渉失敗により、イラク北部からの侵攻が困難になりました。
イラク北部から侵攻できないと、面倒な南部から砂漠地帯を長い補給線を辿って多量のガソリンと水とを輸送しなければなりません。 それにデジタル師団は地中海にいるはず。
二つ目は、バグダッド株式市場が活況を呈しているという話です。
参考(バグダッドの株式市場はなんと上昇しているらしい
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1115.html 投稿者 Ddog)
私には重要な話に思えたのでレスしました。 いま読むと面白いやりとりだと思うので、引用します(Ddogさん。良いですよね)。
(Ddogさん)
2.3日前筑紫哲也のNEWS23で、バクダッドの様子のレポートには驚いてしまった。 バクダットの株式市場はさぞや売り一色かと思ったが、ナッなんと上昇し活況であるというのだ! 極端なインフレ経済の帰結としてありうることではあるが・・・・・。証券取引所に来ていた歯科医師は、自分の推奨銘柄まで説明していた!
逞しいのか? 脳天気なのか解らないが、打たれ強い国民なのか。アホなのか?アホという事はないと思うが・・・
私はアラブ人を理解することはできないかもしれない。
(すみちゃん)
Ddogさん。 こんばんわ。 私は別に驚きませんけど。 イラク占領政策が緩やかで「ショーウインドウ的」な運営がなされるというスペキュレーションに基づくと、株式投資すべきという結論になります。
(Ddogさん)
もし、これから米軍の攻撃を受ければ、投資先の会社の設備、人的資源、が砂漠と砂に帰しようとするのは常識じゃないですか!
誰にでも予想出来ない攻撃の被害が予想されているのに、買いに回る事は我々日本人投資家には出来ない。
もっとも、攻撃と同時にイラク軍内部で、謀反が発生して、無血占領の筋書きが出来上がっている。バクダットの投資家はすでに「そんなの常識だよ」なんてことだったら、充分理解できますが・・・・・・
「そう、それが論理的帰結というものですね」とレスしようかと思ったんですが、Ddogさんの勢いがなんか凄かったので、私の方が引いてしまいました。
バグダッドの不動産をアラブ投資家が買っているという噂もありました。 本当?
今考えると、「無血占領の筋書きが流布されていた」というDdogさんの想定は当たっていたんじゃないかと思われます。 さすが株屋さんです(もし失礼な言い方でしたらごめんなさい)。
(戦争開始後に起こった異例の事態と見解の修正)
戦争開始後になってから、米軍が10万そこそこしかいないことを知り、驚きました(私は軍事は詳しくないのです)。
イラク南部では補給線が脅かされることは明らかに思えました。
このとき以下の投稿をしました。
(もしかして米国中枢は大チョンボをしでかす?
http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/298.html)
(ラムズフェルド長官とマイヤーズ統合参謀本部議長の記者会見)を見てから、上の考え方が揺らいで、ワケが分からなくなったのです。
彼らの作戦は、価値観の問題をまったく理解していないものだったのです。
戦争に関してはイラク側の組織的抵抗は困難でしょうが、たとえ戦闘がいったん終結したとしても、占領政策は実行困難だと思うようになりました。
最初から「アフダニスタン化」「バレスチナ化」するということが言えると思ったのです。
「ショーウインドウ的占領統治」なんかこの連中には絶対無理だと悟った瞬間でした。 私の見通しは誤りでした。
(見解修正後に残った疑問)
ここで疑問が残りました。 まともな占領支配が最初から困難だとすれば、もう米英軍は戦略目的達成はできないという疑問です。
どうやってイラク全土を統治しようというのか?
最初からアフガニスタン化では国際社会に馬鹿にされるのがオチです。 最終的には統治コストに耐えられず、撤退する他はなさそうです(何年先かは分からないですが)。
(疑問がかなり氷解)
さて、ごく最近のニュースや阿修羅掲示板をみていくうちに、上の疑問がかなり氷解するのを覚えました。
まず、フセイン政権の「敵前逃亡」は明らかです。
モスルにおけるイラク国軍第5軍4個師団の降伏は、そっくりそのまま、式命令系統を含んで米軍に献上ということでしょう。
第5軍の投降も同様です。
ティクリートでもほとんど抵抗はありませんでした。
バグダッド外周の防御ラインは存在しませんでした。
英米侵略軍にまともに立ち向かったのは南部シーア派ムスリムとアラブ義勇兵でした。
それよりも重要なのは、どうも警察機構か手つかずで残っているらしいということです。 最近、警察機構の保持する大量の個人情報がそのまま出てきたというニュースがあったと記憶しています。
この情報がフセイン統治の鍵に違いありません。
フセイン配下の共和国防衛隊や警察機構は、ほとんど手つかずのまま残されており、占領軍が使用可能な状態を保っているように思われます。 このあたりも早晩明らかになるでしょう。
特に重要なのは、戦士達の「妻子」の情報をきっちりと握っていることです。
ここで再びボーア戦争を想いだしたのです。
ローズは、ボーア軍兵士の妻子を強制収容所に放り込むことによって執拗な抵抗を終結させました。
この故知に習い、一層洗練させた手法に違いありません。
フセイン警察は各部族の個人情報を握っているものと推測しています。
ここで妻子の情報を握られれば、「組織的抵抗」は困難になるに違いありません。
これによって、イラク全土は、「占領軍政下の強制収容所」と化した可能性があります。
ショーウインドウ的統治は無理ですが、強制収容所的統治は可能であるに違いありません。 陰険!
(合作説を検討する)
以下の可能性が一応考えられます。
私の上の投稿では、イラク軍は指揮命令系統が寸断されているのではないかと書いたんですが、整然とした投降を見る限り、むしろ指揮命令系統は正常であると考えるべきだと悟りました。
現状で言えるのは、以下のことではないかと思います。
○ 指揮命令系統が正常である。
○ 共和国親衛隊が整然と投降している。 ハネ上がりはいないように見える。 警察機構も波瀾要素がなくおとなしく出番を待っているという印象。
○ 軍が指揮命令系統を残したままで「居抜き」で投降しているらしい。
○ 警察機構は、個人情報と指揮命令系統を残しているようである。
以上のことから言えるのは、フセイン政権は、軍と警察機構とを米国に「献上」したのだということです。
そして、現時点まで、その指揮命令系統は正常に作動していたらしいと推測できます。
極論すると、フセイン(またはその代理資格者)が、軍と警察機構とにたいして、今後は米国の指揮に従うようにという趣旨の命令を発しているかのように見えます(実際にそう言うはずはないんですが、そういう意思が感じられる)。
この推論が正しいとすると、以下の可能性が考えられます。
(1) イラク戦争が始まった後に、イラク政府が「無条件降伏」を選んだ。
(2) イラク戦争が始まる前から「無条件降伏」していた。
こういう選択肢ですと、(2)の可能性が高いと考えざるをえません。
米軍が10万人そこそこの軍勢で補給も怪しいにもかかわらずバクダッド市街まで急速に侵攻したことは,(1)でも説明はつかないことはありませんが、(2)の方が自然です。
いや、私はそういう軍事作戦の分析は得意じゃありません(他の方にお任せしましょう)。
私は、上の推論に基づいて考えます。
フセイン以下は、イラク全土を一種の強制収容所として統治可能なように、軍−警察機構と莫大な個人情報を献上したのです。
これは確信犯です。
戦争開始後に命がおしいから献上、なんていう「フヌケ」では、これほど整然とした行動はとれそうもありません。
もっと強烈な「思想性」が考えられる、断固とした売国行動です。
フセインは、戦争開始前に無条件降伏したに違いありません。
これ以上具体的なことは、いろいろと想像はできますけど、確信が持てないので失礼させて頂きます。
最後にお笑いを一つ。
フセインさんは、いま、アゾレス諸島の国際的リゾートにいて、日光を浴びながらカクテルをすすっているのかも。
むろん衆人環視の中です。 プールサイドです。
その顔には「チョビ髭」がありません。 チョビ髭を剃っただけで、誰にも怪しまれなくなったんです。
参考: (【「イラク侵略戦争」のこれまで】 「ブッシュ−フセイン合作」の“戦争劇”は終わった − その1 −http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/865.html投稿者 あっしら)
(【「イラク侵略戦争」のこれまで】 「ブッシュ−フセイン合作」の“戦争劇”は終わった − その2 −http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/868.html投稿者 あっしら)