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一昨夜、行きつけの酒場へ行ったら、6、7人の酔客が、イラク国連大使の話題で沸騰していた。ご存知、イラクのアル・ドゥーリ国連大使は、9日の時点で、ニューヨークの自宅前で記者団にこう語った。「ゲームは終わった。私はサダムとは何の関係もない。あとはイラクに平和が訪れることを願うのみだ」
「あまりの調子のよさに唖然とした」とか「あの時点でゲーム・イズ・オーバーなどと言うべきでない」と怒る人もいたが、「面白い人だ」という見方が大半だった。「立派な官僚だ」とある文芸評論家が言った。私も同意した。ドゥーリ大使は見上げた官僚である。フセイン政府に忠実に動き、国連の舞台で口を極めて米英をののしり、一転して政権が傾いて通信が途絶えた時点で、見切りをつけ、個人の立場に戻る。別の政権が成立すれば、あるいは再び外交官として復帰して今度は堂々と逆のことを主張するかもしれない。あるいは、法律の専門家であり、またフランス文学にも精通しているらしいから、どこかの大学で教鞭をとるかもしれない。
田中真紀子新任外相の人事政策などに反抗し、大臣いじめに狂奔した日本の外務官僚に見られるような陰湿さとは違って、ドゥーリ大使の「ゲーム・イズ・オーバー」は爽やかである。役人とは役を演じる人である。国家のあり方の基本部分に執着してはならないのだ。