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(回答先: Re: 民主党とネオコン 投稿者 チビ太(←「通りすがり2」から改名) 日時 2003 年 4 月 10 日 12:01:38)
チビ太さん、こんにちわ。
心よりのお礼をいただきありがとうございます。
私がいろいろな書き込みをしているのは、結論をみなさんに共有して欲しいからではありません。
(現実は刻々変化していますから、その時々の思考の産物にしがみついてもしかたがないと思っていますし、いわゆる“真理”は存在しないと考えています。結論をみなさんに共有して欲しいと思ったら、宗教活動や政治活動に励みます(笑))
個に限らず類としても、人が現実を認識する能力はたかが知れています。
経済理論など論理的に詰めていけばあまりにも現実と乖離していることがわかる言説が、“真理”であるかのように流布している現状に、微力ながら異を唱えたいと思い書きこみを行なっています。
そして、自分の考えを皆さんに投げ掛け、それにレスをいただくことで少しずつでも知識と認識を深めていきたいと考えています。
こういう見方もできるのか、こういう思考の仕方もあるのかという視点で書き込みをお読みいただければと思っています。
>ついでにもう一つ質問ですが,今日のアメリカの恐怖政治を生んだそもそもの始まり
>は,すべて2年前のブッシュの大統領就任にあったと思ってきました.多くの人がブッ
>シュの個人的な側面に着目して「解説」されています.が,あっしらさんのお考えで
>は,あの時ゴアが米大統領になっていたとしても,イラク侵攻は早晩あったことと判
>断されますか.
ゴア氏が大統領になっても、9・11→アフガニスタン侵略戦争→イラク侵略戦争は行なわれていただろうと思っています。(京都議定書などへの対応は変わっていたでしょうが)
端的には、9・11もそうですが、戦争は01年のブッシュ政権になって計画されたわけでも、計画できるものでもないからです。(9・11は少なくとも2年前から準備された物だと考えています)
イラク攻撃は少なくとも13年がかりで準備が行なわれています。
フセイン政権のクウェート侵攻を“黙認”したことが、最初の明示的なイラク攻撃の始まりです。
フセイン政権は、国連の撤退決議やソ連の仲介を受け、91年1月23日までにクウェートから撤退することを決意し、19日(?)から撤退を開始しましたが、撤退が終わった頃を見計らうように米軍を主体とした多国籍軍がイラク軍に攻撃を仕掛けるというとんでもないものでした。
その後、
● 国連武器査察を通じてのイラクの軍事力削減
(アル・サムード2の解体強要でわかるように、最後の最後までイラクの抵抗力を削ぎました)
● 南部・北部に飛行禁止区域を設定しその地域の制空権を確保
(恒常的な空爆を行い、98年末には「砂漠の狐」作戦という猛空爆も実施)
● 経済制裁を12年以上も継続することで生活困窮化をもたらしイラク国民の反フセイン感情を醸成
などを行ない、今回の「イラク侵略戦争」がスムーズに進められる段取りを行なってきました。
戦争を遂行する国防総省や国際諜報を担うCIAは、クリントン政権時代でも共和党人脈がトップに立ったように、大統領から“独立”して動ける組織になっています。
(9・11は、国防総省の協力なくしてはうまくいかない「テロ」です)
また、00年の大統領選挙のフロリダ州の開票問題でもめたときに見せたゴア陣営の対応ぶりから、ゴア氏自身が大統領になる気がそれほどなかったのではと疑っています。
ゴア氏が大統領であっても、国防総省・CIA・FBIなどの説明(扇動)に抗することができず、9・11→アフガニスタン侵略戦争→イラク侵略戦争という同じ歴史過程をたどったと推測します。
>クリントン政権の末期,パレスチナ問題や対北朝鮮の関係でやや明るい兆しが出てい
>たと思うのですが(もちろん,ゴア政権の誕生が問題の平和的解決とその後の安定を
>補償したとも思いませんが,イラクに対しここまで強行にやったかどうか?---あく
>までも仮定の話)
パレスチナ問題や対北朝鮮政策は、クリントン政権とブッシュ政権は基本的に同じスタンスに立っていると見ています。
パレスチナ問題は、ブッシュ政権も、妥結しなかったキャンプデービッド合意案を基礎に調停を進めるはずです。(イスラエルの安全保障を確立するためのものです)
北朝鮮問題も、小泉首相に訪朝を求めたくらいですから、日本の資金援助を梃子に解決を目指すはずです。
(北朝鮮を「悪の枢軸」に加えたのは、対イスラム戦争という匂いを消すためのマヌーバーだと見ています。また、昨年末からの“騒動”は、日本に対する牽制だと考えています)
98年末の「砂漠の狐」作戦に踏み切ったのは、クリントン大統領でありブレア首相です。(クリントン氏は「砂漠の狐」作戦にあまり積極的ではなかったようですが、ブレア氏にせっつかれるかたちで踏み切りました)
ソ連圏の崩壊そして中国の市場経済化という過程を通じて、グローバリズム(近代経済システムの世界化)は残すところイスラム諸国だけになりました。
(北朝鮮は、経済開放区を設定したり、昨年7月の「経済改革」により、近代経済システムに自ら加わろうとしています)
イスラム諸国に中央銀行制度と銀行の貸し出しを認めさせる「改革」(民主化&近代化)を持ち込めば、近代経済システムの世界化は完了します。
この「最終決戦」には、クリントン氏もゴア氏も反対しなかったはずです。
断言しますが、米英政権が現在遂行している「最終決戦」に勝利することはありません。
時間はかかるかもしれませんが、アフガニスタンからもイラクからも、米英侵略軍及びそのサポーター軍は放逐されることになります。
時間が少しでも多くかかるということは、アフガニスタンやイラクの人々の犠牲者がさらに増加するということであり、侵略の実働部隊を担っている人たちの犠牲も増えることを意味します。
日本の現状を見ていると、アフガニスタン問題は終わったことだという認識が持たれているようです。
このままイラク侵略戦争が終わり米英の占領支配が打ち建てられると、イラク問題も終わったと受け止められるのではないかと危惧しています。
米英支配層の狡猾さは常人の想像を遥かに超えたものです。
イラクは解放されて新しい政権ができたのに、“一部”の「テロリスト」がテロ活動をやって邪魔をしているというプロパガンダを行ない、秘匿された虐殺を継続するはずです。
(その虐殺の実働部隊が米英軍を後ろ盾にした旧フセイン政権の軍事・警察従事者であり、虐殺される側が、米英支配層が解放の名分として掲げている反フセイン勢力というとんでもない倒錯状況が生まれます)
この以上の殺戮や惨劇を避けるためには、この段階で米英支配層の強欲に基づく虐殺侵略戦争をやめさせるしかありません。
それができるのは、米国や英国の国民であり、虐殺侵略戦争に大きな資金負担をすることになる日本の国民です。