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(回答先: Re:覇権国「米国が常に正しい」は、なにを目指してるの? 投稿者 はまち 日時 2003 年 4 月 04 日 17:40:06)
「米国が常に正しい」は、標語的な表現です。ちょっと、横道ですが、国連憲章に基づいて、「現在」のルールを説明します。
国家間の紛争は、平和的手段による解決が求められ(国連憲章33条)、戦争は、自衛の場合を除き(同51条参照)、安保理が行うもののみが適法とされます。もちろん、国連や安保理が常備軍を有するわけではなく、安保理決議に基づいて、各国の軍隊が用いられますが(いわゆる「国連軍」)、戦争の主体は、各国ではなく、安保理です(国連憲章42条参照)。換言すれば、戦争は、自衛の場合を除き、一方の当事者が国連軍である場合のみ「合法的」な戦争となり得ます。これを標語的に表現すると、「安保理が常に正しい」になります。
これが、おそらく、現在において、国際社会で認められた戦争に関する法規範です(古い陸戦法規などの上にオーバーラップしています)。規範性を失っていない証拠は、「国連無視」という米英に対する非難が現実性を失っていないことです。
チンプ演説からは、上記のルールのうち「安保理」を「アメリカ(大統領)」に置き換える意図が読み取れます。アメリカこそが正義の伝道者としています。また、安保理の機能不全を理由にして、先制攻撃を正当化している点にも注目すべきです。当然ながら、アメリカは、「力でもって、...覇権国としての役目を果たしていくつもり(はまち氏)」です。それを国際社会が受け入れたときに、これが法規範として機能し、先に申し上げた「現代」のルールが規範力を失います。現実に、その危険もあります。少なくとも、忠犬内閣は受け入れています。
もちろん、現代のルールは、戦勝国に都合のよいルールです。多言いたしませんが、そもそも「国連」は、第二次世界大戦当時の「連合国(the United Nations)」の訳語を変えただけです。組織実体は、おそらく1942年の「連合国宣言(Declaration by the United Nations)」にさかのぼります。しかし、今は、このような欠陥をあげつらうのではなく、このルールの堅持を国際社会に訴える方が現実的です。アメリカが構築しようとしている新しいルールは、国際社会の猛烈な抵抗を受けています。
最後に、すみちゃん氏のご意見ですが、「力のある者が公平に振る舞うとき」は、残念ながら、力のある者に都合のよい公平概念が一般化したときでしかないと思っております。皮肉な表現ですから、反感を抱かれると思います。しかし、「公平」も「自由」と同じで、「誰にとっての」を常に意識せざるを得ない概念です。