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(回答先: イラク軍の不可解な行動 投稿者 猫人 日時 2003 年 4 月 03 日 21:53:58)
猫人さん、こんばんわ。
「戦争」ボードに関連の書き込みをいくつかしていますが、疑問点に即して簡単に説明します。
>●チグリス・ユーフラテス川に架かる橋を何故落さなかったのか? 爆破の失敗にし
>てはあまりにもおかしいほど、今回の戦争では橋が壊されていない気がします。
落とす必要がないと判断しているからでしょう。
米英侵略軍の主力や主要補給路はユーフラテス川の外側(バグダッドから見て)ですから、内側から米英軍を攻撃するときに橋を使ったほうが合理的です。
機甲化部隊の多くがユーフラテス川を渡った時点で、補給を断つために橋を爆破する可能性があります。
(退路を断って殲滅するというえぐい作戦ではないと思います。それをめざすと核兵器が使われる可能性もあります)
この問題があるからこそ、米英軍も、うかつにユーフラテス川を渡るという愚を犯しません。
>●要衝のカルバラを何故簡単に放棄したのか? 多分民間人に紛れて兵士は居るので
>しょうが、何故交戦をあまりせずに放棄したのか。
カルバラの制圧は“大本営発表”で、米軍第3歩兵師団はカルバラを迂回して動いています。
BBCは、きちんとそのように報道しています。
カルバラ制圧を喧伝しているのは、米国系及び日系の報道会社です。
実際に北上したかどうかはわかりませんが、北上したとしても、カルバラと湖のあいだの地峡を通ったというものです。
カルバラは、イラク側がきちんと抑えています。
>●バグダッド以北に半分以上の共和国防衛隊がいる。米軍がバグダッドへと少しずつ
>進軍しているようですが、あまり大きな動きがないみたいです。
米軍は、バグダッドに向け進撃なぞしていません。
そのような条件は整っていなし、バグダッド市街戦をやる気もありません。
増強部隊が投入され、補給問題がクリアされない限り、バグダッド攻囲もできません。
昨日今日の“快進撃”は、ラムズフェルド一派が作戦ミス非難を避けるために画策したデッチ上げです。
>私はテレビに出て来る軍事評論家がよく言っている、長期戦だけをイラク側が狙って
>いるとは思えません。何がしかの大規模な攻撃で米軍の機先を挫いておかねば、本当
>の長期戦になったらイラク側は補給が困難になって敗北すると思うからです。
米英軍がクウェートから毎日補給しなければならないのは、物資:2万2千トン・燃料:5万7千キロリットルだとされています。(「ニューズウイーク日本版4・9」より)
イラクは、防御側ですから無駄な弾薬はあまり使う必要がなく、食糧の備蓄も半年分は積み上げているようです。(半占領地域は米英軍から食糧の補給は受けられます(笑))
重要なことは、イラクが中東イスラム世界の中心部に位置している地理的特性です。
長期化してイラクが食糧や弾薬に窮することになれば、周辺諸国から民間ベースでの支援があります。
4月から夏にかけて、米英軍は、砂嵐だけではなく50度とも言われる暑さに悩まされることになります。(昼夜の寒暖差も大きい)
イラク側は日常の出来事ですが、米英軍側は基本的に初めて経験する出来事です。
車両で睡眠をとっている兵士も多いようです。
熱砂のなかで補給が不充分という事態が続けば、米英軍の戦闘能力は空軍だけに近いものになってしまいます。
イラク側は、先週行なったように、砂嵐という気象条件を利用した攻勢をかけるだけです。
ヘリを含む航空戦力が存分に活用できる気象条件でイラク側がわざわざやられるために攻勢を仕掛けることはありません。