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私の知っている範囲のアリジゴクという昆虫の特性は、砂を
掘って砂の穴を作り、穴の底の中央に位置して他の昆虫がやっ
て来るのを待ち受けるというものです。
そうなっているところにある昆虫がその穴に落ちると、足場
の砂が崩れて這い上がることが出来ずに、次第に穴の底へと落
ちていくわけです。
底の中央にはアリジゴクが居ます。彼はふだんは穴のさらに
下に掘ってある自分の地下室に居ますが、餌食となる虫が落ち
てくると外に現れ、鋭く頑丈な歯で噛み砕くわけです。
フセイン氏は砂漠の中央の都市、バグダッドの中央の地下室
に居ると思われます。
彼の外交政策はアメリカが国際的な資源権益や政経的な勢力
関係の局面で孤立化し、しかも人道上・国際法上の非難の対象
となるように仕組むものです。
戦争が始まる前からそう仕組まれていますが、始まった後は
なおさらそうなるように仕組んであります。
これは一種の政治的落とし穴を自分の周りに仕掛けて待ち受
けるやりかたです。
こうした「待ち受ける落とし穴」戦法は、彼の今回の軍事戦
略の基本の一つでもあるようです。アラブ世界や全世界の人々
への心理・宣伝戦略も同様になっているところがあります。
10年も前からこうなることが分っていたわけですから、当
然平和や人権を重んじる国際世論やアラブ民族主義を盾や武器
にしなければならないことは初めから分りきっています。
では、アメリカが市街戦での勝利や暗殺などによってフセイ
ン・バース党というアリジゴクを倒したとしましょう。それで
もアリジゴクの穴は残っています。
国際社会の反対を押し切って開戦したアメリカは戦後処理を
国際社会全体に押し付ける権利も道理も持ちません。そうする
と、戦後のイラク社会統治・管理のための莫大な費用はアメリ
カが払わなければなりません。
こういう戦争になってしまったからには、イラク統治のため
には大勢の完全武装の米兵の駐留が必要です。これはアメリカ
の国家財政には大きな負担となります。戦争が長期戦になって
もそれは同じことです。
説得力のある大義も道理も無い戦争ですから、イラク国民を
残酷に扱うことが内外の世論の手前できません。「イラク国民
の解放」とまで唱えているくらいですから。
要するに、フセイン・バース党が倒れようと倒れまいとアメ
リカにとって金と危険がやたらにかかる、いつまでも痛みと傷
が消えないような嫌な状況がイラク国内と国際関係において続
きかねないわけです。