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キャスティングボードを操るより政権与党のほうが“楽”で“得”があるからでしょう
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 02 日 16:34:30:

(回答先: 何故、創価学会は自民と手を組んだのですか? 投稿者 学会員A 日時 2003 年 4 月 02 日 13:34:25)


学会員Aさん、こんにちわ。

陰謀論的な内実は脇に置き、政局ないし政策に絞って考えを書きます。
この意味で創価学会=公明党という枠組として説明します。

公明党は、1965年以降の日本政治で重要なポジションを占めてきました。
これは、中央=国政のみならず地方政治についても言えることです。

近代国民国家政党とも言える自民党とその他の層別利益代表諸政党の対立と調整(妥協)が戦後政治を動かしてきた基軸だと思っています。

(社会党は、政府部門及び民間勤労者の利益代表性と反戦平和価値観の代弁性を基礎にした政党でした。公明党は、自営業・自由業・生活困窮者を主たる信徒層とする創価学会の政治部門ですから福祉と平和を主張してきました。共産党は、社会主義革命志向から制度内の弱者救済と反戦平和へとスタンスを変えてきました。民社党は、大企業労組の企業利益=従業員利益という考えを基礎にした政治勢力でした)

90年に至るまでの戦後政治史は、近代国民国家政党である自民党が政権を担うことを前提に、様々な傍流階層の利益を代弁する政治勢力が少しでも自分たちの政策を取り入れさせようとしたと概括することができます。

高度経済成長を経て世界一の産業国家に到達した日本は、様々な傍流階層の利益を考慮する政策をとることが可能であり、そういう政策を実施することが国民経済の持続的な成長に資するものでした。

バブル崩壊後に生まれた新しい政治の流れは、近代国民国家政党=自民党=固定的政権政党という構造を、二大政党制=政権党交替可能性に変えようとしたものと言うことができます。
このような政治的変化は、ご存知のように、みごとに破綻しました。

現在の政界は、自民党+公明党+保守新党という“前90年代”的対立を自民党が内なるものに取り込んだ与党と新たな近代国民国家政党をめざす民主党・自由党、そして、“前90年代”的対立を継続させようとする共産党・社民党に分類することができると考えています。

自民党が“前90年代”的対立を内なるものに取り込まざるをえなくなった要因は、小沢派の離党を最大の要因とする絶対過半数の喪失です。

日本的近代国民国家政党である自民党は、政権党であることが唯一の存立基礎である政党ですから、野党になった危機的状況でも、思想性を棚上げすることで、与党内で踏み絵を踏まされて阻害された社会党を抱き込みその党首を首相に祭り上げることで、政権奪取に成功しました。
(その後、社会党は、民主党合流派と社民党に分裂しました)


政権党であることを絶対命題にする自民党のすごさは、公明党勢力が対立勢力に与しているときには、創価学会問題を国会の場で俎上に乗せて叩きまくったにも関わらず、政界再編過程で公明党勢力が宙に浮くとその取り込みに走り与党化させた手腕です。
(鬼畜や悪魔と呼んだ小沢自由党まで一時的に取り込みました)

創価学会=公明党は、憲法20条絡みだけではなく、日蓮正宗の門徒集団であることを宗教法人の根拠にしていながら日蓮正宗から破門されたこと、そして、どこまでが本当かは別として池田大作氏の醜聞や政治的謀略などの“傷”を抱えています。

創価学会=公明党は、90年代の政界再編騒動を渦中で見つめ、自民党の政権党性は揺るがないと判断したと思われます。
それならば、政権党にのみ付与される絶対的な政治力に攻撃される事態を回避するともに、自分たちの利益が少しでも反映される政策の実施のために与党に入るほうが賢明だと考えるのは当然です。

このような創価学会=公明党の動きは、ことさら目新しいことではありません。
県・市などの地方政治では、与党化を通じて自分たちの存在意義や政策実現性を追求してきました。
現在の与党であらんとする政策は、そのような政治手法の完成形態であるとも言えます。

>また最近、反戦、平和なのになにか違うことをいいつつあるようです。どうか教えて
>下さい

一貫とした主張であった「反戦平和」が、学会員や票集めの手段でしかなかったということの一つの現れであり、社会党が安保条約や自衛隊の容認に動いたような“現実主義”の現れだと見ています。

「反戦平和」にこだわるよりも、与党であり続けることで得られるメリットのほうが大きいという判断でしょう。

公明党冬柴幹事長の言動は、北朝鮮リンケージ論など自民党としてはちょっと恥ずかしくて言えないことを代わりに言うという惨めなものだと受け止めています。

公明党が国連決議なしのイラク攻撃は支持できないと「反戦平和」未満の論理を貫き通せば、日本政府のイラク攻撃への対応が変わった可能性もありました。

創価学会=公明党は、そのような重要問題でもキャスティングボードを操れない没価値観・没政治性の単なる政権執着政党になってしまったと言えます。

(国連決議なしのイラク攻撃反対を主張しても、政権与党から叩き出されるという心配はしなくてもいいにも関わらずです。衆議院はともかく参議院で公明党が持つ議席は、極めて重要な政治力になっています)

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