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結局最近の日本外交を見ていると、どうもこう言っているとしか思えない。「われわれはア
メリカとの外交関係を最優先するどころかそれだけを大切にするのであって、そのためには他
の諸国家との関係が損なわれようとかまわない。」
しかし、その論理と実際的選択行動から生まれる結果は“アメリカへの従属の強化”とか“
アメリカへの隷属の完成”といったものに他ならない。日本はいよいよアメリカの庇護と後見
がなければ存在も国家意思の発動・表明もできない国家となるのである。日本政府は日本国民
という一億二千万人の集団を勝手にそういうあやうい状態へ連れて行こうとしているのだ。
北朝鮮問題の解決手続きからあの大中国を締め出そうというのだろうか。日本はアメリカに
けしかけられて将来中国と軍事的・政治的に対立することになるのだろうか。そうした前提の
ほうがよほど非現実的で危険なものではないか。
中国は北朝鮮と国境を接しており、両国の共産党は朝鮮戦争以来歴史的な友好関係を持って
いる。中国は近年大量の脱北者を抱え込まされており、その金銭的被害は巨額なものだといわ
れている。北朝鮮地域に米軍の前哨基地ができることが中国、そしてロシアにとって小さな問
でも愉快な話でないことも明らかなことである。そして、言うまでもなく中国は国連安保理の
拒否権を持つ五大国の一つであり、日本の全ての大都市に核ミサイルをすでに向けている。
こうした北朝鮮問題に関する現実の一部分だけを取り上げても、いかに対米関係中心の国連
や諸大国をないがしろにした屈従外交が危険でおかしなものかがわかる。今の日本の指導者は
いったい誰のために何のための外交を行っているのか。
アメリカ式の「あの国はけしからんので攻撃占領する」という理屈は、国家当局が国民に対
してもつ以上の権力である。なにしろ、勝手に違法合法の基準を設けて勝手に処罰・身柄拘束
・財産没収できるというのだから。主権を持った国家に対してそんなことを白昼堂々と行おう
とすれば、世界中の国が猛反発するのは当たり前である。それは人類が長い間多くの努力と犠
牲を払って手に入れた国家主権と市民の自由が失われようとしていることなのだから。
結局今の日本の指導者たちは対米隷属によって日本国民をそうした個人と社会の基本的諸権
利が奪われるような危険な状態におとしいれることによって、同時に世界をも危険な状態へお
としいれているのである。これでは世界から軽蔑され憎まれないはずがない。そうした正当な
日本への蔑視と憎悪が国益だとでも言うのか。
われわれの見えないところで、日本政府がアメリカから恐ろしい脅迫を受けていることもあ
りうるが、結局今の日本がアメリカにしているような国民国家としての道義もプライドもない
自国と世界を危険な恐怖による束縛のなかに閉じ込めるような選択行動が何をもたらすのか、
日本政府はわかっているのだろうか。まともに考えて、こうした行動をとった日本・日本人に
対して将来アメリカが収奪と支配と労働の対象として扱う以外にはありえない。脅迫と暴力と
情報・世論操作、政治工作によってアメリカ支配層のために働く限りで、その存在は認められ
その行動は評価されるのである。
英米が危険かつ非常識な行いによって孤立した今こそ、日本のアメリカ離れのための最高の
そして最後の機会であろう。われわれ日本国民は自分たちの声と行動で小泉政権をつぶして国
際社会に仲間入りをして、同時に世界と自分の未来を手に入れるべきときである。
『統制軍事国家アメリカのジハードの論理』
http://www.asyura.com/2003/dispute8/msg/1233.html