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(回答先: あっしらさんへの質問 投稿者 通りすがり 日時 2003 年 3 月 20 日 17:44:01)
通りすがりさん、こんにちわ。
>あっしらさんは、今回のイラク攻撃を石油利権だけではないとも書かれていました
>が、シャロン氏が推し進める「大イスラエル主義」についてはどのように考察されて
>いるのでしょうか?
まず、シャロン氏が「純粋大イスラエル主義者」なのか「政治的大イスラエル主義者」なのかは判然としません。
「純粋大イスラエル主義者」は、聖書記述を楯にペルシア湾から紅海そして地中海までの領域を神から授かった土地だと考える人だと思っています。
「政治的大イスラエル主義者」は、「純粋大イスラエル主義」を自分もしくは世界支配層の目的のために利用する人だと思っています。
シャロン首相がどちらの立場であっても、アラビア半島からそれを超えて中東全域までを支配地にしたいと思っていることでは同じですから、その視点で考えます。
「大イスラエル主義者」は、自らの経験からできるとは思っていないようですが、米英が中東をぐちゃぐちゃにしたあとで親米政権樹立と「近代化」が達成されたあとを狙っているはずです。
中東全域の経済システムが米国流に変わり、そこへの自由なアクセスが認められるようになれば、得意な才覚と技術を駆使して中東地域の経済的支配を米英支配層と分け合うこともできます。
これを歴史的に類推すれば、イスラムが中東から地中海領域を支配し、そこに住んでいたユダヤ人がイスラムルールのもとで経済活動を行ないながら生活していたかたちの裏返しになります。
米英の現在の目論見が完遂されたなら、アラブ人がフェニキア−ユダヤのルールのなかで経済活動を営みながら生活していくことになります。
「大イスラエル主義者」とは、中東にこういうかたちのシステムを待望している人たちとかんがえてもいいと思っています。
>また、「ネオコン」と「大イスラエル主義」の関係についても御教授頂ければ幸いです。
「ネオコン」は、“赤いマント”を脱いだマルクス主義者だと思っています。
労働者を主体とする世界革命ではなく、金融支配層を主体とする世界革命をめざす政治的グループです。
9・11以降の世界史は、金融支配層による「世界革命」(世界支配構造の変更)が進行しているのです。
「ネオコン」は、自分たちの“正体”を隠し、利用できるものはなんでも利用しようという政治主義から「大イスラエル主義」や「宗教右派(キリスト教シオニスト)」を利用しています。
「ネオコン」にくっついた「大イスラエル主義」シオニストはおこぼれをもらうことにはなるでしょうが、「ネオコン」は、「大イスラエル主義」のために動いているのではなく、あくまでも金融支配層の「世界革命」のために動いている勢力だと考えています。