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湾岸戦争後のイラク‥‥‥子どもたちが死んでゆく
劣化ウラン弾と経済制裁−湾岸戦争後のイラク
Depleted Uranium Bullets and Economic Sanctions in IRAQ
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5分に1人の子どもが死んでゆく 湾岸戦争が終わって10年、今またイラクへの米英軍の攻撃が繰り返されるなか、当時米英軍が使った劣化ウラン弾によりイラクの子どもたちの健康に異変が起こっている。
湾岸戦争後、白血病、ガン、奇形などが多発しイラクの病院は子どもたちであふれかえっている。
各写真はクリックで拡大
栄養失調で入院していた子ども
(バスラ・サダム教育病院)
白血病で入院している子どもの撮影が終わって廊下に出ると、他の病室に入院していた母親が写真を撮ってくれと言ってきた。
(バクダッド・マンスール病院小児科白血病専門病棟)
アメリアシェルター
1991年2月13日のミサイル攻撃でここに避難していた民間人1500人が犠牲になった。
(バクダッド)
破棄された民家は子どもたちの遊び場になっていた。(バスラ)
骨ガンに冒された少年。この撮影の一週間後に亡くなった。
(バスラ・サダム教育病院)
「劣化ウラン弾による影響で腎臓や肝臓が炎症を起こし、腹水が溜まりもう手の施しようがない」と医師は言った。
(バクダッド・マンスール病院小児科白血病専門病棟)
殺到する子どもの患者
(バクダッド・サダムシティー小児科病院の外来受付)
10年以上続く経済制裁によって、町には学校に行けなくなった子どもたちが物乞いやたばこ売りなどで溢れている。主食の小麦粉は戦争前の1万倍にも跳ね上がり庶民の食糧事情は日ごと悪化している。一見、町には食品が出回っているが買い物をする客はわずかだ。国連食糧計画は「今のイラクは飢餓のアフリカよりひどい」と言っているほどだ。栄養失調で死亡する幼児は’89年と比べ19倍。新生児の70lが栄養失調でそのうちの50%が重症になるという。さらに、水道水から大腸菌が発見されるなど浄水場で欠かせない塩素剤は経済制裁のため、化学兵器の材料になると言う理由から輸入できない。清潔な水が飲めない子どもたちの間に赤痢やコレラ、チフスが発生している。
「経済制裁と爆撃がサダムの体制をより強固なものにしている。ますます国民がアメリカを憎みはすれ、独裁政治に目が向かない」とあるバグダッドの外交筋はいう。
病院には薬もなく医療機器も粗大ゴミ同然で動いている物はほとんどない。医師たちは溢れ来る重症患者に全く手の施しようもなく呆然としている。日本では簡単になおる病気でもここでは直接死と結びついてしまう。
急増する子どもたちの白血病に対応するため1993年にはバクダッドの2つの小児病院に白血病専門病棟ができた。
その一つのマンスール病院を訪ねた。’98年5月に訪問した時に撮った入院患者の写真を持っていくと「この子も、この子も亡くなった」と医師たちは平然と言う。死が日常化している。この病院では「毎日4〜6人の子どもが亡くなって行きます。湾岸戦争前の10倍です。白血病患者は10倍になっています。白血病になれば殆どの子どもが死んでしまう。
こうした異変の原因が「湾岸戦争当時代使われた劣化ウラン弾によるものだ」と医師の誰もが言う。