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米軍のイラク侵攻を巡る不可解と思える戦局の展開については、Fさんの最新のロシア情報の翻訳む「イラクの戦争・さまざまな考え1」やすみちゃん、たこさんら、支弁力のある投稿者の分析がはじまっているのてせ、その成果に期待しましょう。好みによっては、小生が一環して叩いている佐々木敏氏の「たすきがけ買収理論」も役にたつかも知れません。シリアについては、先代のハフィズ・アサド大統領は「砂漠の狐」といわれた中東一の賢者(悪い意味でも。ハフィズはPLOがらみで3万人ほどを殺しており、ヨルダンのフセイン国王が引き起こした「ブラックセプテンバー」といい勝負の残酷さ、冷徹さですが、サダム・フセインのような誇大妄想はなかったようです)。今のアサド・ジュニアについては、ほとんど知りませんが、米国との対決なら、この信長に似ているともいわれた「先代」にやってほしかった機がします。
あっしらさんの質問に全部、すぐには答え切れませんが、9.11アタックの分析について、まずお答えします。日商岩井のシンクタンク研究員で、、ットでも「溜池通信」というサイトをやっている人(名前を失念しました)が最近、新潮社からダブヤトネオコンを分析した本を出しました。出たばかりです。ここで、ダブヤ政権は就任1年もたたぬ2001年7月ころには、ほとんどの施策が行き詰まり、レイムダック化していた、と分析しています。起死回生はいうまでもなく「9.11」でした。そういう意味で、「アルカイダ・米国アセット説」は推理小説的には素晴らしい仮説です。
まあ、陰謀説といっても、@モハメド・アタらとアルカイダは無関係Aそもそもモハメド・アタなど存在しない、無名の米国系エージェントが犯人−−と諸説紛々であり、一口にまとめて「陰謀」ともいえないほどですが、まあ、誰かがWTCに突っ込んだのは確実です。「エージェントが死を覚悟で突っ込む理由」は凡人の小生には良くわかりません、恋人か子供を人質にでもされたのでしょうか。米国もしくはネオコンへの忠誠心なのでしょうか。まさかね。オサマのファトワにかぶれた、という方がまだ理解できます。
ただし、小生は、動機が立派なら評価できる、という立場はとりません。パレスチナの自爆テロは理解できるし、賞賛します。しかし、9.11はそうではありません。苦境にたったダブヤを救い、ネオコンどもをつけあがらせ、オサマら(米国のアセットかも知れません。また、短なるイデオローグ、扇動者に過ぎず、アタックには何ら関係していなかったのかも知れません。その場合は、単なるシンボル・カリスマとしてのオサマでなく、このアタックの立案・実行チームのボスという意味で=その名前を知らないので=、便宜的にオサマといっているのですが)、のひとつの理想だった世界で唯一のイスラム原理主義政権を崩壊させる引き金をひいた9.11はいったい、誰の利益になったのでしょうか。米国の弱点を次々に攻撃し、統治機構をマヒできるだけの「継続攻撃能力」もなく、3000人近くを殺せば、ネオコンが米政権中枢を牛耳ることになるのは、火を見るより明白です。あまりにも、ネオコンの利益に貢献しているため、スパイ、陰謀説が説得力を持つのでしょう。
つまり、米国の現政権(いうまでもなくダブヤ政権です)を妥当できるか、たとえ失敗しても、かなりゆさぶるだけの準備ができないままのアタックは、昔風にいえば「極左冒険主義」なのです。「いや、あれは、現実的硬化でなく、ムハンマドへのわれわれの献身を示す宗教行為、敗北はもとから承知のジハドなのだ」ということかも知れませんが、これは、信仰の問題であり、ムスリムでない我々が論じるテーマではなくなります。まあ、2〜3世紀かけて、「逆十字軍」をやるのだ、その端緒が9.11だ、ということかも知れませんが。小生は、こうした「文明の衝突」のために、100万人死んでも仕方がない、という立場にはまったく賛成できません。なぜ中世にもどらなければならないのか。これだけの経済力や科学・技術があるのに。
9.121を批判するのは以上のような論点からで、これは「犯人」が誰か、ということとは無関係です。ただし、全くの謀略(ウォルフォビッツあたりの)であれば、それなりのロジックが成立しますので、また別の分析が必要になります。まず、9.11批判の根拠を説明しました。残りは後日ということで。