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(回答先: Re: 世界の原発の60%を建設してきたベクテル 投稿者 名無しさん 日時 2003 年 5 月 29 日 21:29:09)
文中の「日本経済新聞(一九八三年三月二十四日付)に、次のような記事」というのは、次のもののみです。
段落がぬけおちました。
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---政府、電力業界は六十五年度完成をメドに使用済み核燃料の第二再処理工場を建設する計画だが、この工場設備に米国の大手エンジニアリング会社、ベクテル社の技術を導入することが二十三日明らかになった。日米双方が大筋合意したもので、核燃料の再処理という原子力の最先端分野で米社からの技術導入は初めて。東海村(茨城県)の第一再処理工場では仏コジェマ(核燃料公社)から技術導入したが、事故が相次いでいることから施設や機器については新たな技術導入の必要があったうえ、米国のレーガン政権が原子力関連技術の輸出を弾力的に認めるようになったためである。
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同様に、文中の「著者レイトン・マッカートニーから、特別に日本の読者宛てに送られてきた”序文”」は次のもののみです。
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サンフランシスコに本社を置くベクテル社は、過去半世紀近くにわたって、世界で有数の建設・エンジニアリング会社として君臨してきた。その建設事業は、ダム、石油パイプライン、精油所、発電所、空港、鉄道、船舶におよび、時には都市や産業コンビナートをすっかり建設することさえあった。ところがベクテル社がこれほど異常なまでの成功を収め、驚くべき影響力を持ちながら、この八十一歳になろうとする産業界の巨人の内情については、ほとんど知られていない。
この会社は、ひと握りの幹部重役と秘密のベクテル・ファミリーが株券を持つ株式非公開の同族会社で、”ウォール・ストリート・ジャーナル”がかつて「王朝のなかの王朝」と呼んだことがある。べクテル社の組織は、人目につかないように運営されているが、経営と技術のテクニックにはライバル企業を寄せつけない力が秘められ、これを今日まで守り抜いてきたのである。ベクテル社が成功してきたもうひとつの秘訣は、アメリカ国内だけでなく、日本をはじめとする外国のビジネス界と政界に入り込んで最高度の人脈をつかみ、これを用心深く育ててきたことにある。たとえば極秘の原子力技術の提供あるいは中東の石油パイプライン建設のように、戦略的に重大な問題に直面した場合には、各国の首相や大統領・外交官からサウジアラビアの王子に至るまで無数の要人と接触して取引きをおこない、できる限り人目につかないように作業を進めてきた。そのため、かつてベクテル社の社長だったジョージ・シュルツが国務長官に就任し、法律顧問だったキャスパー・ワインバーガーが国防長官に就任して、ベクテル社の幹部がレーガン政権を支配した時でさえ、ベクテル社そのものは決して世間の目に触れることがなかった。
つまり”非公開会社”であるという立場を巧みに利用して、ベクテル社はその目的通りの作業を秘かに実行に移すことができるのである。株主から糾弾されることもなければ、証券取引委員会(SEC)が帳簿を調べることもない。株主やウォール街のご機嫌をとるため四半期ごとに絶えず好成績を収めなければならないというプレッシャーから解放され、長期的な展望を立てて自由にプランを練り、仕事を進められるのがベクテル社の特長である。日本の多くの企業がこの長期戦略に関与していることを知っておく必要があろう。
ベクテル社が特異なのは、西部のカリフォルニア州で土地造成や道路敷設をスタートした初期の時代から今日に至るまで、ベクテル家の家族の手で経営されてきたことである。アメリカの企業は、ほとんどの場合これを支配するトップ経営者が五年か十年で交代し、時にはライバルが突然追い落とすという例も多いが、ベクテル家は一度も経営権を他人に渡さず、次の世代に受け継いできた。現在の会長ステファン・D・ベクテル---通称スティーヴは、ベクテル創設者の孫に当たる三代目で、一九六五年から現在のポストに就いている。ここ数年のうちにスティーヴが引退すれば、おそらく息子か娘婿のうち誰か、つまり四代目が会長ポストを引き継ぐであろう。この四代目は、すでに全員がベクテル社の幹部経営者として要職に就いているのである。
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