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(回答先: 金持ちが喜ぶ価値観に毒されている 投稿者 何を言うやら 日時 2003 年 5 月 12 日 20:46:47)
>相続税額を制限すれば人間の価値観が変化します。小さな家や狭い土地を買うのに一生かかって働いた労働の対価が必要だなんて非人間的だと思いませんか。一部の人にしか価値を理解できない美術工芸品が、万人にとって価値あるものとして取り扱われることをおかしいと思いませんか。>
確かに相続税を制限すれば価値観は変化するでしょう。
もし、その価値観の変化が「今さえ良ければいい。」「今日さえ楽しく過ごせればいい」となったらどうしますか?
刹那的享楽主義になったら、貯蓄率はガタ落ち(すでにアメリカ並に落ちているそうですが)、治安が悪化、長期的な視点で物を考える人は激減します。そうなったら、日本の十八番の産業基盤も壊滅します。
何をいうやらさんの周囲にも、一人や二人は享楽的刹那主義に陥っている人がいることと思います。その人達を見てあなたは「消費に貢献している偉い人だ。自分も真似したい。」と思うでしょうか?享楽的刹那主義に陥った人にとって、お金はいくらあっても足りないようです。(サラ金の隆盛を見れば分かります。)
資産が無かった戦後の日本は、国民に貯蓄を奨励し、その原資で産業を興したり強化したりしてきたのです。もし、戦後の日本国民が貯蓄に励まなかったら、今の経済大国日本はなかったかもしれません。
狭い土地や家が高騰した要因はいくつかあります。
第一に、戦後日本が実質的に土地本位制を採用していた点。
第二に、都市への人口の集中。
第三に、土地を保有することが、庶民にとって最も有利な財産形成の方法だった点。(戦後の一般物価に比べ、土地価格が何倍になったかは大事な視点です。ただ、住んでいるだけで財産が増えるなんてものは普通ありません。どちらにしても住まいは必要なわけですから。)
第四に、財産形成に有利だと気がついた人や企業が先を争って必要以上に買いに走った点。
などを考慮する必要があります。
バブルまで、土地の値段は一貫して右肩上がりだったのです。ですから、無理をして早い時期に買った人程、結果的に有利な財産形成が出来ました。現在70歳以上の人達を、どの時期に土地を買ったのかで、また、土地を持たなかった人との財産総額の統計を採ったら興味深い結果がでると思います。
バブル後は状況が一変しました。現在では、狭く高い土地を買うかどうか、それに対してどう考えるかは、個人の人生観.価値観の問題です。
美術品に関しては「好き」だから買うのではなく「高い」から買う人が増えた結果だと考えます。
「高い」のがイコール「価値がある」と思い込み、自分独自の価値観を持たない人達が招いたものです。
>相続税額を制限することが社会主義にはなりません。むしろ、私有財再の制限は人のやる気をなくしてしまうでしょう。>
なぜ、社会主義的または準社会主義的にならないのかわかりません。
個人のやる気が薄くなるのには同感です。
>人間が一世代で築く価値を制限しろなんて言っていません。ただ、築いた価値を相続する際の一人あたりの絶対額を制限すれば、価値観の変化が生じるということを主張しているのです。価値観が変われば娯楽や文化に対する考え方も変わってきます。今の日本を変えるには価値観そのものを変えるしかないと思います。>
社会とは個人の集まりです。その社会を構成している一人一人のやる気を削ぐ社会は、経済も技術も衰退します。
これは崩壊した旧社会主義国を見れば容易に推測されることです。
「なぜ、そこまで相続税の制限に拘るのか?」拘る理由が理解できませんが、私有財産は個人のやる気に関ってくる重要な問題です。
何をいうやらさんが、相続税の制限などで生じると考える「価値観の変化」を具体的に提示していないのが残念です。