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(回答先: Re: 元気がでました。 投稿者 愚民党 日時 2003 年 4 月 29 日 15:37:13)
「貧乏になると世の中がよく見える」と、知り合いの老ジャーナリストが言っていました。あるいは、地下の暗黒の中で目を凝らしていると、盲人の感覚が鋭敏であるように、遥か遠方の音まで聞こえるということでしょうか。日ごろ愚民党さんの見事な透視力に感銘を受けています。
暗黒舞踊は、若いころ二,三回観ただけですが、その異形な表現力に驚いた記憶があります。また、数年前、山梨県の山中で暮らしているという舞踊家で、土方巽の弟子だったという人に、猪の肉をご馳走になったことがあります。猪鍋を突つきながら、飲みながら、彼は、山の中でその猪と偶然出くわし、格闘の末に仕留めた話を手振り身振りよろしくしゃべりました。一人で野生動物と格闘して勝つなんて、私には想像もつかないことなので圧倒されるばかりでした。決して大柄な人ではないのに強靭で敏捷な肉体。舞踊家とはすごいなと感じ入りました。
フランスの詩人アントナン・アルトーは、俳優でもあり、頭脳に対する肉体の優位性を説いた人ですが、現代に至って彼の予言は見事に生きているように思います。人間の頭脳は悲しむべき水準にまで衰微し、人間がコンピュータを凌駕する部分は暴力とか破壊とか騙し合いとか、不道徳な分野しかないと思い込んでいるかのごとくです。本当は愛があるのに。『惑星ソラリス』の愛、『鏡』の追憶があるのに。否、愛や追憶は肉体から派生するものか・・・
勝手にとりとめない感想を連ねましたが、歴史は一度だって計画どおりに進んだためしはないと、誰かが言っておりましたね。何とか生き長らえようと決意するほかありません。生き長らえましょう。