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【シドニー堀内宏明】オーストラリアのアルストン通信相が28日、豪公共放送ABCのイラク報道をめぐり「反米の偏向報道」と批判し、ABCに内部調査を命じた。米同盟国としてイラクにも派兵した豪政府が今なお続く戦争批判に業を煮やした形だが、予算の削減もちらつかせる圧力に野党やジャーナリスト労組は猛反発している。
問題となったのはABCのラジオニュース番組「AM」の内容。通信相はAMがこれまでに流した「フセイン(イラク大統領)は米国に解雇された」「ブッシュ政権は戦争計画の欠陥を指摘する内部の声を無視している」といったコメントなど60項目を列挙し、制作の経緯の説明を求め、「回答を拒めば本件は国会に持ち込まれ、ABCの予算が削られることもありうる」と述べた。
ABCは収入の大半が国庫交付金だが、権力批判も活発な豪州最大のメディアで、政府の首脳部からも「左傾化が著しい」と不満が出ていた。ABCは「通信相には節度ある回答をする」と表明している。
[毎日新聞5月29日] ( 2003-05-29-18:36 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030530k0000m030022000c.html