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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
平成15年(2003)5月19日(月曜日)
通巻608号
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中国がバルカン化する日
「SARS・パニック」と地域エゴ、軍閥
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「三国志」の地方軍閥時代に突如、中国は戻ってしまったのか。
ムラをバリケードで封鎖し、余所者を入れないという鎖国主義的封建的行為に走った北京近郊の農村で起きているエピソードが写真入りで報じられたのはまだ一週間ほど前だ。
いま、地域主義エゴは全土で抑制の利かない暴走を始めた。中央権力の支持を無視するのだから一種無政府状態と言えなくもないだろう。
共産党中央が整合性をもった政策もとれず、地方政府が管轄下のムラや街の動きを掌握できない。まさにペスト災禍、黒死病に酷似した社会不安の出現は革命前夜のイメージに繋がる。
△南京で起きていること
上海から270キロ西の南京。
高速道路をフォルクスワーゲンとの合弁タクシー専用車「サンタナ」は、130キロだしてぶっ飛ばす。渋滞さえなければ上海から南京までノンストップで、二時間で着く。
先週、「ファー・イースタン・エコノミック・レビュー」の記者が試したところ四時間以上かかった。途中で自治体の検問、健康検査スポットが何カ所もあるからだ。
南京のホリディイン・クラウン・プラザ・ホテル(外人ビジネスマンに一番人気)の稼働率、ついに10%を割り込み、タクシー、レストラン、旅行代理店、そのほか。実際に売上げがゼロになると日常の金融が回らない。手元キャッシュが不如意になる。買い付け騒ぎから、いまや銀行へ現金を降ろしにいく。
現金のポジションを高めて置かなければ営業も出来ない、生活も出来ない。やがて銀行業務に支障がでるだろう。
北京近郊ではクルマのナンバーにより、SARS感染地からの車両は追い返すところもでてきた。
長距離トラックで一週間も足止めされている車両が途中でつかえている。
異常反応である。
ちなみに上海は死者二名、南京は感染が二名しか報告されていないにもかかわらず(5月16日現在)。
国連WHOは5月15日、患者数の過少申告が目立つ上、軍からのまともな情報がない。WHOは中国軍に対して「本当の情報を速やかに提出するように」要請したが、帰ってきた答えは「台湾のWHO加盟に反対」(文脈が繋がらないではないか)。
WHOに依れば「軍の感染が多く、しかも死亡率が8%と異常に高いので、その理由を知りたいからだ」としている(「自由時報」5月16日付)。
もともと庶民をパニックのどん底に陥れ、過剰反応の種を蒔いたのは北京政府であり、情報秘匿の付けがまわり、気がついたとき北京市から200万人が故郷へ散らばった後だった。
これから医療設備の悪い、殆ど医者らしき医者もいなければ隔離病棟もない農村部でSARSが蔓延するだろう。
△「バルカン化」の一歩手前の社会状況ではないのか?
バルカン化。宗教、民族、地域を要素に分裂作用を起こす政治的な事態を指す。
中国的に換言すれば「地方軍閥化」。もっとも中国らしき特色がでた。軍が出動しても無力、中央政府の通達は、いったい何の効力があろうか?
これほど軍事暴動でも、組織された騒擾でもないのに、共産党権力が一瞬にして無力化した現象を我々は記憶に強くとどめておくべきだろう。
近い将来、共産党独裁体制が根本から壊れ、軍による力の秩序が崩壊する日、中国のバルカン化が一体どのようなプロセスを辿るのか、日々のSARS騒ぎで、それを予行演習的に目撃している!
SARS禍でGDP成長が2%に下がる、4%台だろうとする希望的観測があるが、ことし中国がプラスの成長率を維持できると考えること自体、もはや途方もなく非現実的である。
いまの事態は災禍、戦火に襲われた敗戦国の様相である。
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イラク戦争はアメリカの圧勝に終わり、次の焦点はイラクの戦後復興とパレスチナ和平を含む中東全域の「民主化」へ移って来ました。しかしながら、もう一つの「悪の枢軸」=北朝鮮の核開発問題を巡って米朝の対立が沸点に達し、我が国の安全も危殆に瀕しようとしています。
イラクのあと、アメリカは次に何を狙うのか? 北朝鮮危機はどう展開するのか? アメリカ外交を牛耳るといわれる「ネオコン」の実体とは? アメリカ文化、政治風土研究の第一人者・越智先生に語って貰います。
記
日時 5月23日(金曜日)午後6時半開場/7時開演
場所 大正セントラルホテル・三階大会議室
【JR・地下鉄 高田馬場駅前・ビッグボックス前】
演題 「ネオコンのアメリカ、何処へ行く」
講師 越智道雄(明治大学教授)
会場分担金 おひとり 二千円
問い合わせ 03−3232−8470
◎なお終了後、近くの居酒屋で越智先生を囲んでの懇親会(別途会費2000円前後)があります。
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