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ピッキングに代わる新たな空き巣の手口が急増しています。ライターを使った「焼き破り」と呼ばれる手口です。
千葉県にあるマンションの1階の部屋に空き巣が入ったのは3日前のことです。帰宅した会社員が気付きました。現金は盗まれていませんでしたが、床に落ちていた封筒には犯人の足跡が残っていました。
侵入されたのはベランダの窓ガラスでした。カギの上に縦3センチ、横1センチの大きさの小さな穴が開けられていました。そして、周りには焦げた後があります。
これが「焼き破り」と呼ばれる手口です。ライターなどを使って、ガラス戸の一部を熱してヒビを入れ、カギを開けて侵入するのです。
こうした窓のカギを破る「焼き破り」とは一体どんな手口なのでしょうか。ライターの火でガラス戸に穴が開くのでしょうか。
市販の火力が強いライターで加熱します。加熱した後、霧吹きで水をかけた途端、ガラスにヒビが入ります。そして、開いた穴からドライバーを入れ、鍵を開けます。かかった時間はわずか1分16秒。短時間で侵入できるのです。
今回の実験に使用したライターは「焼き破り」の道具として実際に使われ、警察に押収されたものです。「焼き破り」はガラス戸を破る音が小さく、気づかれにくい、ライターを持っていても怪しまれないことなどから、最近、全国で多発。特殊な工具を使ったピッキングに代わる侵入手口として、全国の警察で警戒を強めています。
千葉県の会社員のマンションも玄関でなく、ベランダのガラス戸が狙われていました。「焼き破り」の被害は3ヶ月の間に埼玉県で170件近く、千葉県で150件、東京で70件に上っています。全国の被害は去年秋から1000件を超えるとみられています。
警察は「焼き破り」の防犯対策として、熱に強い防犯ガラス戸を使うことや1つのガラス戸に補助錠を2つ以上付けて、短時間で破られないようにすることなどを呼びかけています。(19日 15:57)