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「宇宙実験で新薬開発に期待」NASDA・吉冨室長
世界15カ国が共同で建設を進める国際宇宙ステーション(ISS)の 組み立てが進んでいる。日本は宇宙実験棟「きぼう」を2006年にISS に設置・運営していく計画。宇宙空間で実施される様々な実験などを足がかりに、近い将来何ができるようになるのか、我々の生活はどう変わるのか、宇宙開発事業団・宇宙環境利用事業促進室(きぼう利用相談室)の吉冨進室長に聞いた。
「宇宙実験で新薬開発に期待」
――これから宇宙でどのような実験が計画されているのか。
「ロシアの有人宇宙船『ソユーズ』で2003年5月、日本が第一弾の宇宙実験で生成したたんぱく質結晶が地上に帰ってきた。これから兵庫 県・播磨の大型放射光施設『SPring―8(スプリング・エイ ト)』でたんぱく質のX線構造解析をする運びになっている。遺伝子(ゲノム)の解読情報に基づいて遺伝子がつくり出すたんぱく質の構造を明らかにすることで、今までと違った新しい手法で副作用の少ない薬が製造できるようになると期待されている。糖尿病・痴呆症など加齢性疾患治療薬の開発に結びつくたんぱく質の研究も進んでいる」
「たとえば、外界からの刺激を細胞の内側に伝える仲介をする『膜たんぱく』は薬をつくるベースになる基本的なたんぱく。この研究が進めば狙った刺激のコントロールなど新薬の開発につながる。たんぱく質分子は複雑な形をしているので、重力下では対流の影響などできれいな結晶ができにくいが、微小重力の宇宙空間ではこれが可能になる。武田薬品など大手製薬22社からなる『タンパク質構造解析コンソーシアム』はスプリング・エイトに専用のビームラインを設けて本格的な新薬研究に乗り出している。現メンバーの理化学研究所に続き、イネゲノムを研究する農林水産省・農業生物資源研究所、2004年には膜たんぱく質結晶研究を進めている経済産業省・生物情報解析センターも宇宙実験に参加する予定だ」
「今後3年間に6回のたんぱく質結晶の生成実験を計画している。2006年にきぼうモジュールが打ち上げられる前から、宇宙実験が実際に役に立つという実例・成果をたくさん世の中に示していきたいと考えている」
http://www.nikkei.co.jp/weekend/news/20030516s265g002_16.html