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吸血鬼伝説発祥の地とされるルーマニアで、ドラキュラを題材とした世界初のテーマパークの建設
計画が“迷走”を続けている。ドラキュラのモデルとなった同国中世の英雄ブラド公ゆかりの地に総
面積120ヘクタールの「ドラキュラパーク」を建設し「観光の起爆剤」(観光省)にする壮大なプ
ロジェクトだが、着工を前に環境保護などの面から反対意見が続出、建設候補地も二転三転、計画は
難航している。
★知名度抜群
ドラキュラは19世紀の作家ストーカーの創作上の人物。15世紀にオスマン・トルコと戦い、捕
虜をくいに刺して虐殺、「串刺し公」と呼ばれたブラド公のイメージに、東欧各地の吸血鬼伝説を重
ね合わせて生み出されたとされる。
ルーマニアでは、ブラド公は外敵を撃退した祖国の英雄とみなされ、国民の人気も高い。内外で知
名度抜群のこの人物を観光資源とすることを提案したのが同国のダン観光相。3年前、「ブラド公の
生誕地シギショアラの郊外に総工費3000万ドル(約35億円)でドラキュラパークを建設する」
とぶち上げ、関係者を驚かせた。
ルーマニアは1989年の民主化後も経済改革が遅れ、中・東欧諸国の中でも「周回遅れのランナ
ー」とみられている。外国からの観光客数もハンガリーの約5分の1。経済アナリストは「政府は今
なお人気が衰えないドラキュラのパワーを外資誘致のきっかけにしたいのだろう」とみる。
★史跡保護
建設計画は、吸血鬼の恐怖が味わえる「ドラキュラ城」などのアトラクション、ホテル、ゴルフ場
まで備えた本格的なもので、年間約100万人の集客を見込み、予想売上高は2700万ドル(約3
1億5000万円)。2002年中に着工し、04年秋に開業の予定だった。
しかし、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が危ぐを示した。中世の街並みが残るシギショアラは
世界遺産に指定されており、史跡保護の観点から巨大開発は望ましくないというわけだ。
採算性にも疑問が投げかけられた。「入場者の約8割を地元からとするが、平均月収100ユーロ
(約1万3500円)のルーマニア人に5ユーロ(約675円)の入場料が払えるのか」(地元紙)
こうした批判を受け、観光省は建設候補地の見直しに着手。一時は黒海沿岸のコンスタンツァの名
も挙がったが、今年1月に首都ブカレスト近郊への変更を発表した。だが既に建設資金集めまでして
いたシギショアラ側は猛反発、計画は宙に浮いた状態が続いている。
http://www.zakzak.co.jp/top/t-2003_05/2t2003051515.html