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(回答先: Re: ヘビメタ小僧が水で走る車を完成させていた 投稿者 瑞天 日時 2003 年 5 月 12 日 22:43:13)
◆NOx抑制のためのリーンバーン
パワーが控えめな理由は、もう一つある。現状のBMW水素エンジンは、吸い込んだ空気(酸素)に対して、燃料である水素の量をかなり少なめにしている。つまり"リーンバーン"。
そうしている理由は、色々あるはずだが、重要なポイントはNOxの発生を抑えること。BMW自身、「排気として出てくるのは水(水蒸気)」と言ってはいるが、高温・高圧下で燃焼させているかぎり、シリンダーの中でNOxが生ずる。「燃焼温度が1700℃以上になるとNOx発生が増えるため、それ以下に止めるように希薄混合気で燃やしている」とのこと。でもNOx生成は何度以上と、簡単にラインが引けるわけじゃない。少ないにせよNOxは出る。ガソリン運転時用に備えている三元触媒では、リーン混合気で、酸素がたくさん残っている排気の中のNOxを還元・分解することはできない。だから燃焼時に生成するNOxをできるだけ減らすような燃え方で使うしかない。これは日本のメーカーが、日本市場だけに向けた商品として血道をあげているガソリン・リーンバーンも変わらない(この話はまたいつかしましょう)。そしてディーゼルも。
ま、日本だけが「NOx=大気汚染の元凶」という論理でこの20年を過ごしてきたわけだが、そもそもNOxがどの程度の悪者で、どこまで抑えるべきなのか、という原点に戻って論議する必要はある。それはそれとして、水素燃焼エンジンから出てくるのは「水だけ」なんて無邪気かつ無知な話ですませるわけにもゆかない。