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投稿 平成15年04月26日04時28分
太田龍の時事寸評
平成十五年(二〇〇三年)四月二十四日(木)
(第五百五十七回)
○産経新聞、平成十五年四月二十四日、十五頁。「正論」。
加藤尚武「ブッシュ大統領を動かす新保守主義」。
○この小論文の中で、
米国新保守主義(ネオコンサバティブ)の源流は、レオ・
シュトラウスの思想である、とあり、ようやく、ここで、
レオ・シュトラウスの名前が出て来た。
○この小論の筆者は、「哲学者」ないし「哲学専門家」らしいが、
あいにく、この人については、当寸評子は、何も知らない。
○しかし、ここで、レオ・シュトラウスについて言われて居ることは、
およそ無内容。
なんのことやら分からない....。
○ところで、
シアディア・B・ドゥルーリーの「レオ・シュトラウスとアメリカ
の右翼」(一九九七年)が問題であろう。
Leo Strauss and the American Right
By Shadia B. Drury
○著者のシアディア・B・ドゥルーリー女史は、カルガリー大学政治
学教授とある。カルガリーは、カナダ、であろう。
○女性にしては珍しく、生年を、一九五〇年、と明記してある。
○このひとの立場は、レオ・シュトラウスについても、米国の
いわゆる「ネオコン」についても、批判的、と言うことのようだ。
○「シュトラウスは、しばしば、カバラ主義と見なされる」(五十九頁)
とある。
もちろん、これは、重要な論点だ。
○「シュトラウスの思想は、ユダヤ神秘主義の世俗化された表現
である」(同上)、ともある。
○「シュトラウスの政治的理想(ideal)は悪夢である。それは、
我々を、完全に狡猾で野心的な宗教指導者(プリースト)の生かす
も殺すも自由自在と言う支配下に置くことになる。そして、この宗教
指導者(プリースト)は、ドストエフスキーのあの大審問官
(Grand Inquisitor)よりも恐ろしい」(六十四頁)と
この著者は結論して居る。
○これは、良い線を突いているのではないか。
○Inquisitorとは中世ローマキリスト教会の異端審問官のこと。
○ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に、この世に現れ
たイエス・キリストをキリスト教会とキリスト教国家が逮捕し、
その逮捕されたイエス・キリストを、「大審問官」が尋問するの
である。
○ここで、ドゥルーリー女史が言う、
狡猾で野心的な宗教指導者(プリースト)、となる、その「宗教」
は、今、イルミナティ世界権力が用意しつつある、「統一世界宗教」
のこと。
○ヴァイスハウプトの「イルミナティ」(一七七六年)が、五つ
(又は六つ)の行動網領の一つに、あらゆる既成宗教の廃絶、を
かかげて居ることは、周知のところ。
○この件については、続報する。
(了)