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家庭用のキッチン回り洗浄剤市場は、食器用洗剤が大型詰め替えタイプの浸透が進んでいる半面、全体的に単価の下落が続き、2000年秋から大手各社のマイルドタイプ新製品の投入はあるものの、金額ベースでは微減が予想されている。また、クレンザーもキッチン材質の変化によるキズに対する不満などから、使用機会が減少、さらにキッチン用の漂白剤も、漬け置きタイプの使用率が頭打ちでトータルが減少するなど、材質変化とライフスタイルの変化などで伸び悩みの状況にある。
99年度の食器用 洗剤、クレンザー、台所用漂白剤のメーカー販売実績(通産統計)を見ると、食器用洗剤のトータルは、460億4100万円、前年比86%と大幅に落ち込んだ。
しかし、この数字は現在のトップブランドである「ジョイ」(P&G)がベルギーからの輸入に切り替わったために、この数字をプラスして勘案しないと国内市場の実体を表わしたのと言えず、従ってここで出てくる統計数字はあくまでも国内メーカーのものである。
昨年度のベルギーからの輸入量はトン数で4万2225d、これは国内の生産量18万7154dの22.5%に当たる。また、金額では79億1391万円、国内の販売金額比17.2%となっているから、約80億円をプラスした540億円強が国内で販売されたこととなる。ただ、2000年1〜7月の輸入量は1万6514dで、前年同期の2万3472dを30%も下回っている。
食器用洗剤の市場は、長年にわたりライオン(チャーミーグリーン)と花王(ファミリー)の大手2社による寡占化状態が続いていたが、95年にコンパクトタイプの「ジョイ」ブランドで参入したP&Gが、97年に第2弾として「除菌もできるジョイ」(現在はスポンジの除菌もできるジョイ)を発売してから、一気に三つ巴の様相を呈し、コンパクトタイプの比率を高めながら3社のシェアも90%近くにまで跳ね上がった。
しかも、詰め替えタイプ(ボトル、パウチ)が増える中で、市場での単価下落はますます激しくなり、大手のコンパクトタイプでさえ特売で100円を切るケースも出てくるなど、数量・金額ともにシュリンクを続けている。シェア争いでは、「除菌もできるジョイ」が96年のO−157食中毒事件後の97年に導入され、瞬く間トップブランドに成長した。
昭和37年の「ライポンF」発売時には、農薬や回虫などを落とす洗剤として、しばらくは「食器・野菜・果物用洗剤」の表記あったほどで、その後各社とも「洗剤で洗うことで、農薬や菌を洗い落とす」という概念のもと、特別に「除菌」とはうたってこなかった。しかし、O−157事件後は、除菌・殺菌・抗菌など、菌に対する消費者の意識が高まり、「除菌もできるジョイ」が受け入れられたわけである。
ところが、花王、ライオンなどの大手は「洗剤の持つ機能の中に、当然除菌機能も含まれているのだから、1社が除菌をうたうことは、他の洗剤に除菌機能がないということになる」と、洗剤公正取引協議会を通じ公正取引委員会に提訴、その結果「除菌もできる」から、スポンジでそれを使うので「スポンジも除菌できる」という表現に変えることになった。99年秋からはほとんどのメーカーが「スポンジも除菌できる」「菌も洗い流す」といった表示をするようになったことで、除菌効果の差別性は薄れることとなったが、ジョイはトップシェアになった。
その後もトップシェアを堅持するジョイブランドは、「油をスカッと落とすジョイ」「スポンジの除菌もできるジョイ」に加え、2000年9月からスキンケア技術を導入した、油汚れに強く、手肌をしっとり滑らかな感触に保つ、「なめらかフィールジョイ」を新発売、3タイプによる更なるシェアアップを図った。また、ライオンもシェア巻き返しを狙って、2000年春に発売した「チャーミーV」が好調で、単品でナンバー2にまで伸びた。積極的な店頭展開、宣伝・販促の投入でトップブランドを目指しており、9月からは、スキッと洗える(洗浄力+手肌へのやさしさ)、すべすべ感触の「チャーミーマイルド」を新発売した。
さらに、花王も洗浄力タイプの「ファミリーコンパクト」、ハーブで洗う消臭効果の「ファミリーピュア」、イオンのヴェールで手肌にやさしい「モアエクセレント」に加え、人気のファミリーピュアブランドから「ファミリーピュアマイルドタイプ」を新発売した。大手各社が冬場の手肌荒れニーズに対応したマイルドタイプを強化したことで、下げ止まり効果が働くものと期待されている。
自動食器洗い機専用洗剤の市場については、ハード(自動食器洗い機)の普及がまだ10%以下ということもあり、家庭用だけを見ると30億円前後と見られている。しかし、近いうちに10%を超えるものと見られていることから、各社とも対応には余念がない。ただ、業務用については既に100億円を突破しているのではとも推測されており、こちらのルートでは中小業者が健闘しているものと考えられる。
一般市場ではライオンの「全自動チャーミー」が、発売以来3年で日用雑貨ルートでのトップブランドに成長、また、花王の「ファミリー自動食器洗い機専用洗剤」も着実に販路を広げている。一方、家電ルートでは、エヌシーシーの「ハイウォッシュ」が有力ブランドとなっているが、これはナショナルが全面的にバックアップしているのが強みである。また、ベンカイザー・ジャパンの「カルゴニット」も、世界的なブランドであることの信頼から、徐々に広がりを見せている。
また、この自動食器洗い機専用洗剤市場に新規参入したのが、エステー化学である。ハウスホールドクリーナーの世界ナンバー1企業である英国のレキットベンキーザー社と業務提携し、同社の食器洗い乾燥機専用洗剤「フィニッシュ」を、家電ルートを除く日用雑貨ルートで販売を開始した。5年後には普及率が40%を超えると予想される市場に、世界ナンバー1ブランドの投入となったわけである
http://www.sekkenshinpo.com/kategory/kichin/kichin.htm