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《公安情報 ESPIO!》
■ メルコ製偵察衛星は張子の虎? Vol.199 03/28/03
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●HP(登録・解除) http://www.emaga.com/info/xp010617.html
1.公称「分解能1メートル」に達しない可能性
情報収集衛星(IGS)の性能に関して、詳細な分析をしている
記事を見つけたので紹介しておこう。
・情報収集衛星、既存衛星構造体採用が性能面の妥協強いる
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/mech/235696
・情報収集衛星、利用者側も知識が不足
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/mech/236000
・情報収集衛星、宇宙開発事業に甚大な悪影響
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/mech/236236
情報収集衛星は最大分解能(見分けられる最少の長さ)1メートル
の光学衛星2機と、分解能1〜3メートルのレーダー衛星2機の計
4機から成る。本日3月28日に、光学衛星とレーダー衛星、それ
ぞれ1機が、同時に打ち上げられる予定だ。
衛星を製造したメーカーは三菱電機(メルコ)である。
上記記事の注目点は、まず、宇宙開発委員会の公開資料などから、
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/uchuu/
「電源系や姿勢制御システムなど基本となる構造体(衛星バス)」
を具体的に特定し、衛星本体の大きさを「1.6×1.5×1.2
(いずれもメートル)」程度であると推定しているところにある。
偵察衛星の本体は、要するに宇宙に浮かぶ巨大な「望遠鏡」その
ものだとイメージすることができる。レンズの口径が大きければ大
きいほど、分解能が向上することになるが、その口径は当然、衛星
本体の大きさに制約される。
光学衛星のバスから判断すると、IGSの光学系の口径は、せい
ぜい40から45センチだとしか考えられないと記事は指摘してい
る。一方、分解能80センチを実現している民間地球観測衛星「イ
コノス」のそれは71センチだから、物理的に言って、IGSがイ
コノスの性能を上回ることはあり得ないことになるわけだ。
次に興味深いのは、以下の指摘だ。
偵察衛星には衛星の直下だけではなく、斜め横方向にセンサーを
向けて観測を行う機能(ポインティング機能)が必要である。IGS
のセンサーのサイズからして、衛星の姿勢を変えずにミラーを使っ
て斜め横を観測する仕組みは組み込めないだろうと推測できる。
要するに目的物を撮影するのに、カメラだけではなく、わざわざ
衛星本体が向きを変えなければならないというのである。
この点については、先に当メルマガでも紹介した『月刊官界』(
2002年12月号)の記事でも、IGSの改善の余地として、「
光学衛星のカメラの首振りスピードが遅い(速い方がいい写真が撮
れる)」とある(同120頁)。
http://www.emaga.com/bn/?2003010035970852009993.xp010617
記事に掲載されたCGからも分かるとおり、衛星の両翼には、比
較的柔らかい構造の巨大な太陽電池パドルが付いている。重さ約2
トンの構造物が、これだけ大きく柔らかい羽をつけたまま、迅速に
向きを変えることは困難だし、その度に大きなエネルギーを消費す
ることは容易に想像できる。
光学系の口径の大きいイコノスのほうが、IGSよりもはるかに
重量が軽く(800キログラム弱)、ソフィスティケートされた形
状をしている(それだけ乗り越えるべき技術格差が大きい)。
以上のとおり、公表された衛星の設計構造からは、最大分解能1
メートルという公称性能の達成は容易でなく、いや、むしろ「達成
できていない可能性」すらあるのだ。
光学衛星とレーダー衛星を同時に打ち上げるため、後者に適した
「ドーン・ダスク・オービット」を取れないという指摘も極めて専
門的である。
2.メルコの、メルコによる、メルコのための偵察衛星
記事によれば、IGSの衛星バスは、材料実験衛星「USERS
」(2002年9月にH−TTAロケット3号機で打ち上げ)
http://bpscrap.nikkeibp.co.jp/cgi-bin/go/www.usef.or.jp/f3_project/users/f3_users.html
と同一だという。
USERSも三菱電機製である。
記事が結んでいるように、「開発期間の不足」「コスト削減」、
さらには「高分解能センサーの新規開発」という要求から、衛星バ
スは既製品を使わざるを得ず、まさにそのために、「センサーの性
能」それ自体も本来的に制約されているわけだ。
すなわち、今後、IGSの分解能を飛躍的に向上させるためには
、衛星バスそのものを根本的に見直さなければならないことになる。
これには莫大な予算と時間が必要なはずだ。
三菱電機にそれだけの開発能力があるのか否か、あるいは現在で
も十分開発できるが、技術を小出しにして高く売りつけようとして
いるのか、実際のところよく分からない。
しかし、1社独占の開発でスタートしてしまった経緯に加え、メ
ルコは巨額の政府予算を投じたいわば「宇宙実験」で、今後、膨大
なデータを入手することが出来るわけだから、将来的に別のメーカ
ーが参入するのは、相当困難になるだろう。日本の偵察衛星技術は
メルコ一社に完全に依存してしまったのである。
内閣情報調査室はもちろんのこと、内閣衛星情報センターですら
、幹部ポストのほぼ半数は、法文系の官僚によって占められている。
<参考>2001年当時の体制
http://homepage3.nifty.com/argus/naicho1.jpg
http://homepage3.nifty.com/argus/naicho2.jpg
開発・設計は言うまでもなく、メルコの技術力を独自に検証する
能力があるとは思い難い。実態はいわゆる「丸投げ」であることが
予想される。
3.内閣衛星情報センターの秘密主義
内閣衛星情報センターは衛星画像を民間には提供しない予定であ
る。
これは一見、「スパイ衛星」である以上、正当であるように見え
て、実に奇妙な話である。というのも、IGSの性能は、民間のた
とえばイコノス衛星よりも劣っていることが、すでに明らかだから
である。
だとすれば、ちょうどスペース・イメージング社が画像を公開・
販売しているのと同様に、
IGSも一般に画像を公開・販売しても何ら差し支えない。
仮に一部は非公開とするとしたとしても、残りのほとんどについ
ては何の支障もないはずだ。公開したほうが、新しい民間需要を刺
激したり、技術開発の発展に繋がるだろう。
さすがに、衛星の打ち上げにしくじれば、誰でもその失敗に気づ
くことができる。しかし、仮に衛星の打ち上げに成功したとしても
、正確に運行しなかったり、機能不全が生じた場合はどうか。本当
はガラクタが地球の周りを回っているだけなのに、衛星センターは
シカメ面で秘密主義を貫き、それで我々は日本の安全保障が守られ
ているものとすっかり思い込む―などといった漫画的状況も生まれ
かねないわけだ。
「日本独自の、初のスパイ衛星」などと気張らずに、向こう15
年間程度は雌伏の実験期間ぐらいに位置づけて、気前よくその成果
を幅広く民間に公開し、もって競争を喚起し、宇宙産業全体の向上
に努力を振り向けたほうが建設的かもしれない。
そもそも「国産」とは言うものの、その軌道設定にしてからが、
アメリカのGPS衛星のデータに依存しているらしい。彼我の力量
の懸隔は、絶望的に大きいという現実をまず直視しなければならな
い。
4.「分解能15センチ」?
ちなみに、「防衛技術ジャーナル」1999年4月号の記事によ
れば、こんな性能比較がされている。
http://homepage3.nifty.com/argus/bgj1.gif
http://homepage3.nifty.com/argus/bgj2.gif
ここでは「分解能15センチ」という数字も掲げられている。
衛星画像に関して「オーバーサンプリング」という手法があり、
たとえば分解能1メートルの衛星でも、画像をデジタル処理して擬
似的に分解能50センチを実現できる場合があるという。
<参考>オーバーサンプリング
http://www.geocontents.jp/faq_under.html#g09
しかし、「15センチ」というのはおそらく、衛星の高度を相当
低く下げた場合の数字だろう。
低く飛べば、光学系の直径が小さくても分解能は向上するわけだ。
前出の「官界」でも衛星は「400から600km」の高度とさ
れている。冒頭の記事も、同様の高度を前提しているものと思われ
る。
しかし、低高度化すれば、引力の影響をより強く受けることとな
り、衛星の寿命は短くなる。実際、この表では衛星の寿命が「10
日〜4年」などと記されている。なんと、最短「10日」なのであ
る。
「10日」が「170km」の高度に対応しているのかどうか、筆
者にはテクニカルなことは分からない。「10日」は極端だとして
も、1年も飛ばないようであれば、とうてい実用には耐えられない
だろう。
―というわけで、以前、当メルマガでは、「ある人的情報」に基づ
き、IGSの実際の性能は公表されているよりも優れているのでは
ないかという指摘をしたが、
http://www.emaga.com/bn/?2003010035970852009993.xp010617
一方、公開情報からはそんな可能性は、科学的にあり得ないことに
なる。
それでもなお、「性能が優れている」とすると、たとえば宇宙開
発計画委員会が何年も前から公開しているデータも、何もかもすべ
て偽装だということになる。まさに恐るべき大謀略である。しかし
、我が日本政府にそんな大謀略を展開する能力があるとはとうてい
思えないのも、これまた実感だと言わなければならない。
<付記>前内閣衛星情報センター管理部長・小野正博
現在、警察庁情報通信企画課長の小野正博は、1999年7月当
時、宇宙開発委員会計画調整部会で次のように発言している。
http://homepage3.nifty.com/argus/KEICHO4.pdf
(同ファイルは現在、同委員会のサイトでは閲覧できないようだ)
小野は警察公論の2002年7月号で、こんな“夢”も披露して
いる。
http://homepage3.nifty.com/argus/kouron1.gif
http://homepage3.nifty.com/argus/kouron2.gif
衛星で犯人を追跡するのが“夢”だというのだから、たいした“
夢”もあったものだ。
もっとも、IGSの実態は今のところ、小野の“夢”からは程遠
い様子であるわけだが・・・。
<案内>
読者から案内を受けたので宣伝しておく。
http://japaninternet.tv/blog/jit001/
http://japaninternet.tv/blog/jit002/
<感想>イラク戦争
開戦直前のアジズ副首相の逃亡・殺害説に始まり、空爆によるサ
ダム・フセインおよび側近の死傷、バスラやウンムカスルの陥落、
1個師団8000人の投降、化学兵器工場の発見等々・・・米英メ
ディアが垂れ流す情報のデタラメ振りが、誰の目にも明らかになっ
ている。
それらすべてが両政府による情報宣伝工作なのか否か知る由はな
いが、もしそうだとしたら、いずれもあっさり裏目に出るという無
残な結果に終わっている。もはや米英サイドの発表を手放しで鵜呑
みにする者は少ない。
ところが、日本国内の報道状況は当初、これらの外報をあたかも
自明の事実であるかの如く報じ、それをもとに推測を展開して、総
じて「短期終結論」が支配的であった。
「どうやら大変なことが起こっているのではないか」という危機
感が広がり始めたのはやはり、23日に捕虜の映像が公開されたこ
とが一つの契機となっている。激しい地上戦・ゲリラ戦に加え、同
士討ち、誤爆、謎の反乱等々、相次いで明らかになった不祥事は、
この戦争が少しも「新しく」はなく、「スマート」でもないことを
示している。
おそらく同盟軍の前線兵士は、「驚愕と畏怖」などと人を小バカ
にした、尊大な作戦名の意味するところを、自ら思い知らされてい
ることだろう。
一転して、「悲観論」が優勢になりつつあるが、わずかこの一週
間足らずの動きであることも事実だ。こと軍事面に限定して言えば
、予想以上の障害に阻まれているとはいえ、現在のところ、依然と
して米英の優位は変わらない。数か月後には、バグダッドが陥落す
るかもしれない。
ただし、である。
さすがに作戦の修正が行われつつあるとの報道もある一方、今な
おバグダッドへの進軍が自己目的化している様子であることには驚
かざるを得ない。つまり、軍事的なプレッシャーをかければ造反・
離反が相次ぎ、サダム・フセインの政権が崩壊するという大前提が
、日を追うごとにますます怪しくなっているからである。
ブッシュ政権は一体どういう引き際を考えているのだろうか。あ
るいは何をもって「勝ち」「負け」と言えるのだろうか。
仮にフセインの排除とイラクの占領に成功したとしても、中・長
期的に見れば、アメリカが国内外で抱えた負担とリスクは、極めて
大きい。その勝敗の如何に関わらず、世界的規模のカタストロフィ
ーが起こっても、少しも不思議ではない。
しかし、比較的短期に限定して言えば、時間がかかればかかるほ
ど、双方の犠牲者の数が多ければ多いほど、負担とリスクの絶対値
は、幾何級数的に増大する。
そういう事情を踏まえれば、少なくとも日本国としては、戦争の
短期終結を希望するのもやむを得ない。なんせアメリカに敗北し、
占領された国であるから、これに隷属するのも仕方がない。「独自
の外交的立場」など最初からあるはずもない。
にもかかわらず、筆者がその分際をも忘れて、いささか憤りを吐
露すれば、小泉総理が「徹底抗戦というのはよくない」などと述べ
たのは一体どういう神経なのか、ということである。
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200303/24/20030325k0000m010055000c.html
この発言は戦争の最中に、「おまえたちは早く死ね」「早く侵略
者に屈服しろ」と言っているのと同等だからだ。「犠牲が拡大する
から、始まった以上早く戦争が終わったほうがいい」という“平和
主義的”考え方にも、正直なところ同じ違和感を覚える。米英の軍
事行動を不法な侵略行為と捉えて本当に怒っていれば、これを容認
する発言などできるはずがない。
かくのごとき日本国内の発言状況を知らされれば、イラクのみな
らずアラブ世界の民衆の、少なからぬ部分が憤激することだろう。
そして絶対に日本人を許さないだろう。もし筆者がイラク人なら、
絶対に許さない。必ず報復する。
確信的に敵対の意思を表明して、敵を挑発する趣旨で吐く言辞で
あるというのならばともかく、そんな覚悟は小泉発言にまったく窺
えないのだ。
―ブッシュ政権がイラク戦の勝利に味をしめて、次々とその標的を
他国に移していけば、もはや世界は最終戦争である。増長した「侵
略者」には鉄槌が振り下ろされるべきである。したがって筆者とし
ては、イラク国民が徹底抗戦を展開して最後の最後まで生き残り、
アメリカがこれ以上ないほど屈辱的な有様で、完全敗北することを
切に願っている。
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情報発信者:野田敬生(hironari noda)
【以下略】