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【日本の子供ならどう表現するだろう?】 「破壊されるのは私みたいな子供」 13歳米少女が反戦スピーチ
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/384.html
投稿者 佐藤雅彦 日時 2003 年 3 月 28 日 00:08:57:


●米国の少女が「反戦」スピーチを行ない、それが世界中から注目されている、
 という件について、まずこれを報じた朝日新聞の姿勢を批判し、
 つぎにこの少女のスピーチ(筆記文章)を、子供たちが戦争を考えるきっかけに
 使えるのではないか、という提案をしてみたいと思います。

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●朝日新聞(ウェブ)が、次のような記事を出しました。

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http://www2.asahi.com/special/iraqattack/TKY200303270226.html

【イラク戦争】
 
少女の反戦演説に世界中からメールで反響
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●写真:
シャルロットさん(右)とジリアンさん。娘は毎日、学校のできごとを話し、弁護士の母親は世界のできごとを話して聞かせる=米メーン州で
http://www2.asahi.com/special/iraqattack/images/TKY200303270224.jpg
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 米北東部に住む少女のスピーチがインターネットを通じて世界中を駆けめぐっている。スペイン語、フランス語、日本語、ウルドゥー語……。様々な言葉に翻訳され、少女のもとには毎日、各国から何十通ものメールが届く。なぜ、そこまで人々を魅了するのか。雪深いカナダ国境近くの町に、彼女を訪ねた。

 13歳のシャルロット・アルデブロンさん。メーン州の最北部にある人口1万人の町、プレスクアイルに母親ジリアンさん(50)と2人で暮らす。

 ジリアンさんが米政府機関でエイズ予防などの仕事をしていた関係で、スイスで生まれた後、アフリカのザイール(現コンゴ)、マリ、中米ハイチと移り住んだ。内戦での国外避難も経験した。

 昨年2月、通っている中学校で作文コンテストがあった。「米国旗」がテーマだった。

 布きれの旗は大事にされるのにホームレスは大切にされない。(建国の父)トマス・ジェファーソンはがっかりするでしょう――と書いた。

国語教師は「愛国心のないことを書いた子がいる」と突き放した。男の子が振り返り、ニヤリと笑った。

 落ち込む娘を見てジリアンさんはニュースサイトに作文を投稿した。1週間余で5万件ヒットする反響を呼び、読んだ人から平和集会でのスピーチを頼まれる。

 アムネスティや子どもの人権問題を扱うサイトなど、シャルロットさんはネットを検索して回った。調べた結果をもとに「私たち、子どもの声が聞こえますか」と訴える作文を書き上げ、ジリアンさんに見てもらった。

 10月、州都オーガスタ。少女は2千人を前に原稿を読んだ。拍手と歓声に包まれた。抱きついてくる女性もいた。

 さらに今年2月15日。地元の小さな教会であった反戦集会でもスピーチに立った。

今、彼女のもとには世界中からメールが届く。

「アンネ・フランクの日記を思い出しました」インドの男性▽「ありがとう、と言いたい」千葉県の女性……。

 でも、学校ではほとんど相手にされていない。

 開戦後、社会科の教師が「フセインは化学兵器を持つ」と話した。シャルロットさんが「でも、その兵器は米国があげたんです」と言うと、教師は「君は間違っている」と答えた。同級生たちはまたニヤニヤ笑った。

だけど少女はもう、めげない。「世界の人たちが私の話を聞いてくれていることが分かったから。これからも自分の考えをしゃべり続けたい」 (03/27 18:36)

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● ……上記の記事を読んで、このシャルロットさんの作文とかスピーチ文章自体を
 読んでみたくなりました。 しかしこの記事には、その作文は紹介されていません。
 朝日ウェブのべつのページには、下記のような“書き手不明”の「13歳
 少女のスピーチ」というのが出ています。

●書き手が記されていないので、下記の文章が本物かどうかさえ、判りません。
 これは新聞にとっては致命的な失敗です。だって“5W1H”という、小学生
 でも知っている新聞作りの(そして作文の)イロハが出来ていないのです
 からね。 上記の記事はやけに感傷的で、なんだか「戦地の兵隊さんは
 こんなに必死でがんばってるよ、だけど××一等兵は、めげない……」
 みたいな、いやらし〜い扇情記事になっています。 つまり、これも
 一種の「デマゴギー」です。

●わたしは、シャルロットさんのことを貶[おとし]めるつもりは全くありません。
  むしろ、これから申し上げようと思っているのですが、彼女の作文を
  教材などに使えないか、と思っているくらいです。 この少女の感受性
  と真剣さはあっぱれです。 しかしそれを伝えた朝日新聞の姿勢は
  浅ましい。 子供をむやみに持ち上げて、思い入れたっぷりの物語
  にしてしまっている……。

●“書き手不明”の「13歳の少女の反戦スピーチ」というのはこれ(↓)です。
  記事の全文を転載しておきます。
   (どこにも誰がいつ書いたかの記載がない……。)

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http://www2.asahi.com/special/iraqattack/TKY200303270225.html
asahi.com
【イラク戦争】  
「破壊されるのは私みたいな子供」 13歳米少女が反戦スピーチ

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 「イラクの子どもたちはどうなるの?」

 イラク爆撃というと、何を思い浮かべますか。軍服を着たサダム・フセイン、あるいは銃を持つ口ひげの戦士たち、それともアル・ラシッドホテルのロビーの床に「犯罪者」という言葉と一緒に描かれたジョージ・ブッシュ元大統領のモザイクでしょうか。

 でも、考えてみて下さい。イラクの2400万人の国民の半分が15歳より下の子どもなんです。1200万人の子どもです。私みたいな。私はもうすぐ13歳になります。だから、私より少し大きいか、もっと小さな子どもたちです。女の子じゃなくて男の子かもしれないし、髪の毛の色も赤毛じゃなくって茶色いかもしれないけれど、とにかく私みたいな子どもたちです。だから、私のことを見て下さい。よく見て下さいね。イラクを攻撃するときに考えなきゃいけないことが分かるはずです。みんなが破壊しようとしているのは、私みたいな子どものことなんです。

 もし、運が良かったら、一瞬で死ねるでしょう。91年の2月16日にバグダッドの防空壕(ごう)で「スマート(高性能)」爆弾に殺された300人の子どもみたいに。そこでは、爆風による激しい火で、子どもと母親の影が壁に焼き付けられてしまいました。

そんなに運が良くなければ、じわじわと死んでいくのでしょう。ちょうど今、バグダッドの子ども病院の「死の病棟」で苦しんでいる14歳のアリ・ファイサルみたいに。アリは湾岸戦争のミサイルで劣化ウランによる悪性リンパ腫ができ、がんになったのです。

 もしかしたら、痛みにあえぎながら死んでいくかもしれません。寄生虫に大事な臓器を食われた18カ月のムスタファみたいに。信じられないことですが、ムスタファは25ドル程度の薬で完全に治ったかもしれなかったのに、制裁で薬がなかったんです。

 死ななかったとしても、外からは見えない心理的な打撃に悩みながら生き続けるかもしれません。91年にイラクが爆撃されたとき、小さな妹たちと一緒にやっと生き延びた恐怖を忘れられないサルマン・ムハンマドみたいに。サルマンのお父さんは家族みんなを同じ部屋で寝させました。そうすれば一緒に生き残れるか、一緒に死ねると思ったからです。サルマンはいまだに空襲警報の悪夢を見るのです。

 アリみたいに独りぼっちになるかもしれません。アリは湾岸戦争でお父さんが殺されたとき3歳でした。アリは3年間毎日お父さんの墓を掘り返しました。「大丈夫だよ、お父さん。もう出られるよ。ここにお父さんを閉じこめたやつはいなくなったんだよ」って叫びながら。でもアリ、違うの。そいつらが戻ってきたみたいなんです。

 ルアイ・マジェドみたいに何の傷も負わなくてすむかもしれません。ルアイは、湾岸戦争のおかげで学校に行かなくてもよかったし、好きなだけ夜更かしできたと言います。でも、教育が受けられなかった彼は今、路上で新聞を売ってやっとなんとか生きています。

 これが自分たちの子どもたちだったらどうしますか。めいだったら? おいだったら? 近所の人だったら? 子どもたちが手足を切られて苦しんで叫んでいるのに、痛みを和らげることも何もできないことを想像してみて下さい。娘が崩壊したビルのがれきの下から叫んでいるのに、手が届かなかったらどうしますか。自分の子どもが、目の前で死ぬ親を見た後、おなかをすかせて独りぼっちで道をさまよっていたらどうしますか。

 これは冒険映画でも、空想物語でも、テレビゲームでもありません。これが、イラクの子どもたちの現実なのです。最近、国際的な研究者の一団がイラクに行って、戦争が近づいていることが、向こうの子どもたちにどう影響しているかを調査してきました。

 彼らが話した子どもたちの半分が、これ以上何のために生きるのか分からないと語っていました。本当に小さい子どもたちでさえ、戦争のことを知っていて、心配していました。5歳のアセムは「銃や爆弾がいっぱい来て、お空が冷たくなったり熱くなったりして、みんないっぱい焼けちゃうんだよ」と言いました。10歳のアエサルは、ブッシュ大統領に「たくさんのイラクの子どもたちが死にます。それをテレビで見たらきっと後悔する」と知ってほしい、と言っていました。

 こちらの小学校のことを話します。私は、人とけんかをしたときには、たたいたり悪口を言ったりするんじゃなくて、「自分がどう思うのか伝えなさい」と教えられました。相手の身になったらどう感じるのか、理解してもらうのです。そうすれば、その人たちはあなたの言うことが分かって、やめるようになります。

 いつものように私は、どう感じるか伝えたいと思います。ただし、「私」ではなく、「私たち」として。悪いことが起きるのをどうしようもなくただ待っているイラクの子どもたちとして。何一つ自分たちで決めることはできないのに、その結果はすべて背負わなければならない子どもたちとして。声が小さすぎて、遠すぎて届かない子どもたちとして。

 私たちは、明日も生きられるか分からないと考えるとこわいです。

 殺されたり、傷つけられたり、将来を盗まれると思うと悔しいです。

 いつもそばにいてくれるお父さんとお母さんがほしいだけなんです。

 そして、最後に。私たち、何か悪いことをしたでしょうか。わけが分からなくなってるんです。

 (文中の数字などは原文のまま) (03/27 18:34)

http://www2.asahi.com/special/iraqattack/TKY200303270225.html

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●上記の“詠み人知らず”みたいな奇怪な作文は、いったい何なのか?
  ひょっとすると朝日ウェブサイトが、中学生あたりにハッキングされて
  正体不明の作文でも貼られてしまったのだろうか? ……などと
  余計な心配をしながら(苦笑)、「シャルロット」という名前を手がかりに
  調べてみることにしました。


●というわけで「Charlotte」で検索して出てきたのは例えば下記の 
  サイトです。クレジット記述から、これは冒頭に転載した朝日の
  記事の内容と一致します。そして、下記のサイトのスピーチ記録も
  “詠み人知らず”みたいな「13歳少女の反戦スピーチ」と一致する
   ので、どうやら朝日ウェブの正体不明の「スピーチ」が、これで
   あることが確認できました。

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http://www.progress.org/2003/iraq16.htm

Sharp Insight from an Unexpected Source

●●A 12-Year-Old Girl Discusses The Bombing of Iraq

Here is a speech made by 12-year-old Charlotte Aldebron at an antiwar rally on February 15, 2003. The Progress Report has confirmed its authenticity and received permission from Ms. Aldebron's mother to share these remarks with you.
【これから紹介するのは、12歳のシャーロット・アルデブロンが2003年2月15日の反戦集会で行なったスピーチです。本誌『プログレス』レポートは、この文章が本当にシャーロットさんのスピーチの筆記であることを確認し、彼女の母親から許可をいただいてここに紹介します。】
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【ここからシャーロットさんの作文】

by Charlotte Aldebron

When people think about bombing Iraq, they see a picture in their heads of Saddam Hussein in a military uniform, or maybe soldiers with big black mustaches carrying guns, or the mosaic of George Bush Sr. on the lobby floor of the Al-Rashid Hotel with the word criminal. But guess what? More than half of Iraq's 24 million people are children under the age of 15. That's 12 million kids. Kids like me. Well, I'm almost 13, so some are a little older, and some a lot younger, some boys instead of girls, some with brown hair, not red. But kids who are pretty much like me just the same. So take a look at me, a good long look. Because I am what you should see in your head when you think about bombing Iraq. I am what you are going to destroy.
If I am lucky, I will be killed instantly, like the three hundred children murdered by your smart bombs in a Baghdad bomb shelter on February 16, 1991. The blast caused a fire so intense that it flash-burned outlines of those children and their mothers on the walls; you can still peel strips of blackened skin souvenirs of your victory from the stones.

But maybe I won't be lucky and I'll die slowly, like 14-year-old Ali Faisal, who right now is on the death ward of the Baghdad children's hospital. He has malignant lymphoma cancer caused by the depleted uranium in your Gulf War missiles. Or maybe I will die painfully and needlessly like 18-month-old Mustafa, whose vital organs are being devoured by sand fly parasites. I know it's hard to believe, but Mustafa could be totally cured with just $25 worth of medicine, but there is none of this medicine because of your sanctions.

Or maybe I won't die at all but will live for years with the psychological damage that you can't see from the outside, like Salman Mohammed, who even now can't forget the terror he lived through with his little sisters when you bombed Iraq in 1991. Salman's father made the whole family sleep in the same room so that they would all survive together, or die together. He still has nightmares about the air raid sirens.

Or maybe I will be orphaned like Ali, who was three when you killed his father in the Gulf War. Ali scraped at the dirt covering his fathers grave every day for three years calling out to him, It's all right Daddy, you can come out now, the men who put you here have gone away. Well, Ali, you're wrong. It looks like those men are coming back.

Or I maybe I will make it in one piece, like Luay Majed, who remembers that the Gulf War meant he didn't have to go to school and could stay up as late as he wanted. But today, with no education, he tries to live by selling newspapers on the street.

Imagine that these are your children or nieces or nephews or neighbors. Imagine your son screaming from the agony of a severed limb, but you can't do anything to ease the pain or comfort him. Imagine your daughter crying out from under the rubble of a collapsed building, but you can't get to her. Imagine your children wandering the streets, hungry and alone, after having watched you die before their eyes.

This is not an adventure movie or a fantasy or a video game. This is reality for children in Iraq. Recently, an international group of researchers went to Iraq to find out how children there are being affected by the possibility of war. Half the children they talked to said they saw no point in living any more. Even really young kids knew about war and worried about it. One 5-year-old, Assem, described it as guns and bombs and the air will be cold and hot and we will burn very much. Ten-year-old Aesar had a message for President Bush: he wanted him to know that a lot of Iraqi children will die. You will see it on TV and then you will regret.

Back in elementary school I was taught to solve problems with other kids not by hitting or name-calling, but by talking and using 'I messages'. The idea of an I message was to make the other person understand how bad his or her actions made you feel, so that the person would sympathize with you and stop it. Now I am going to give you an "I message." Only it's going to be a We message. We as in all the children in Iraq who are waiting helplessly for something bad to happen. We as in the children of the world who don't make any of the decisions but have to suffer all the consequences. We as in those whose voices are too small and too far away to be heard.

We feel scared when we don't know if we'll live another day. We feel angry when people want to kill us or injure us or steal our future. We feel sad because all we want is a mom and a dad who we know will be there the next day. And, finally, we feel confused because we don't even know what we did wrong.

【シャーロットさんの作文はここまで】
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Charlotte Aldebron, 12, attends Cunningham Middle School in Presque Isle, Maine. Comments may be sent to her mom, Jillian Aldebron: aldebron at ainop dot com
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●朝日新聞の「13歳の少女の反戦スピーチ」と、その原文と思しき
 上記の英文のスピーチ筆記を見比べてみると、忠実な訳文とは
 いえないことが判ります。 かなり意訳や省略がありますし、
 最後のほうなどは、原文ではひとつの段落にまとめられている
 文章を、一行ずつバラして、むやみな強調を行なっています。

 英文の筆記録が正しいとするなら、朝日の「13歳の〜」は
 編集上の小細工で、原文を歪めてしまっているわけです。


●12歳の少女が行なったスピーチの文章は、翻訳や英文解釈の
 テキストに用いるには絶好の教材になると思います。
 学校の補助教材などに用いれば、訳文を模索していく過程で
 この少女がどのような考えや願いをもってスピーチをしているか
 みんなでディスカッションをする機会もあるでしょう。

 朝日新聞の「13歳の〜」は、たぶん朝日の社員が訳したので、
 子供の表現にはなっていません。 ですから、本当に日本の
 子供たちにこれを訳させてみて、子供ならどう表現するか、
 それを読んでみたいものだと思います。

●なお、シャーロットさん(米国人なので「シャルロット」でなく、
 おそらく「シャーロット」と呼ばれているはず)の反戦スピーチ
 として、下記のようなものもあります。これも是非読んでみる
 ことをお勧めします。↓
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●HELLO-is anyone out there listening???!!
  SPEECH: AUGUSTA PEACE RALLY, OCT. 26, 2002
    by Charlotte Aldebron, 12
http://www.nativevillage.org/Attack%20on%20America/Charlotte%20Aldebron%20speech.htm
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