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【ニューヨーク上村幸治】イラク戦争問題協議の国連安全保障理事会の公開協議が26日(日本時間27日)に始まり、アナン国連事務総長が「市民を守るためにあらゆることをするのが何より大事だ」と指摘したのに続き、マレーシア、リビア、アルジェリアなどのイスラム諸国大使を中心に米英軍の攻撃を批判する演説が相次いだ。
アナン事務総長はまず「なぜイラクが(武装解除という)最後の機会を生かさなかったのかという声がある」とイラク批判を展開した上で、「多くの人が、国連加盟国のいくつかの国の重大な行動が合法的なのか深刻な疑問を感じている」と英米政府主導のイラク戦争に疑問を提示した。
事務総長はイラクと米英双方を批判した形だが、この日もなぜか米英を名指しせず、両国への配慮を示した。
一方、イラクのドウリ国連大使は、安保理が米英軍の侵略問題を話し合う前に、対イラク人道支援問題を話し始めたことを非難した。非同盟諸国会議を代表して演説したマレーシアのイサ国連大使も「情け容赦のない攻撃が今も続いている。なのに安保理は今日まで沈黙していた」と述べた。
リビア、アルジェリア、イエメン、キューバは米英軍の先制攻撃を国際法や国連憲章に違反すると批判し、インドネシア、南アフリカ、ポーランドなどの大使は市民への被害対策に重点を置いた演説を行なった。
イラクに侵略されたクウェートや、米英とともに軍事行動に参加しているオーストラリアは「イラクはすぐに武装解除すべきだ」とイラク批判を展開した。
会議の開催を呼びかけたアラブ連盟各国は、米英軍の即時撤退を求める安保理決議案を準備していたが、米英が拒否権を行使して否決するのが確実なため、提出を見合わせた。
[毎日新聞3月27日] ( 2003-03-27-09:45 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030327k0000e030018000c.html