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http://www.asahi.com/international/update/0327/013.html
ブッシュ大統領の所属教会、戦争反対
ブッシュ米大統領の所属するプロテスタントの教派、メソジスト教会の指導部がイラクとの戦争に反対していることが分かった。他の教派の指導者と一緒に、反戦のメッセージを伝えるため面会を求めていたが、大統領は拒否したままイラク戦争に突入した。歴代の大統領の中でも、信仰にあついことが売り物で、ひんぱんに「神」を引用するブッシュ氏だが、戦争遂行に役立たない信仰には興味がないようだ。
「イラクへの先制攻撃を深く悲しみ憂う。この侵攻は米国の新しい軍事政策を意味する。世界の人々は、この戦争の正当性をめぐり意見が分裂したままだ」。ブッシュ大統領が19日夜に開戦を告げてから24時間以内に、メソジスト教会の指導部が発表した声明だ。
同教会のロバート・エドガー師は、36の主要なキリスト教派でつくる全米教会協議会の代表でもある。同協議会は、イラクとの戦争が不可避になりつつあった1月末、大統領に「直接お目にかかって、米国が直面する道徳的な選択肢についてメッセージをお伝えしたい」と書簡を送ったが、会談は実現していない。
一般世論と同様、信徒の間では戦争支持が不支持を上回るが、キリスト教指導者の間では、原理主義的な宗教右派を除くと、多くはこの戦争に反対だ。だが、ブッシュ大統領が会談に応じたのは、ローマ法王からの特使だけだ。91年の湾岸戦争直前、父親のブッシュ大統領は、自らが所属する監督教会派の指導者と会談。意見は対立し、激しい議論になったが、宗教界の声に耳を傾けたことで知られている。
それだけに会うことすら拒み続ける現大統領に対するキリスト教界のいら立ちは深い。全米教会協議会は24日、イスラム教2団体とともに、「イラクへの軍事行動が始まったことを深く悲しむ」との声明を発表。戦争の早期終結と犠牲者が少ないこと、そして平和を祈るよう信者に呼びかけた。
一方、ブッシュ大統領は26日、戦争を指導するフロリダ州タンパの中央軍司令部に姿を見せた。「イラクが報いを受ける日は近づいている」と軍関係者を激励し、「神よ、米国に祝福を」と演説を締めくくった。
(03/27 10:38)
26日、ホワイトハウスに隣接する公園でイラク戦争に抗議中、立ち退きを拒んで逮捕されたロジャー・ゲンチ師(中央左)。ブッシュ大統領と同じメソジスト教会の牧師だ=AP、ワシントンで