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全米最強!ドラッグストア「ウォルグリーン」【洗剤日用品粧報】
http://www.asyura.com/0304/bd25/msg/184.html
投稿者 hou 日時 2003 年 3 月 21 日 19:33:54:

http://homepage2.nifty.com/senzai/

 全米最大にして最強との呼び声が高いドラッグストア「ウォルグリーン」を取り上げる。視察団が訪れたのは、郊外型店舗と都市型店舗の2件。両店舗とも基本的なオペレーションはほぼ同様ながら、立地による客層の違いを考慮して、それぞれ独自性を打ち出している。

■郊外型店舗/バッファローグローブ 
 最初に出向いたのは、シカゴのダウンタウンから40キロほど北にあるバッファローグローブの郊外型店舗。周辺を工業団地に囲まれた地区とはいえ、日本のように企業や工場が密集しているような雰囲気ではなく、漠然と言えば「何もないところにポツン」と立地しているようなイメージだ。キャパが50台程度の駐車場から見えるのは、この店舗以外に道路と緑の木々だけというシンプルさ。こうした店舗はスタンドアローン型と呼ばれている。店内は清潔そのもので、商品陳列も整然となされており、この国にありがちな雑然とした雰囲気は微塵もない。
 マネージャーをつとめるマイク・コッツィー氏が、普段あまり接することのないであろう日本人の集団を前にして少々戸惑い気味に店舗概要を説明してくれた。同氏は1967年生まれ。記者と同い年であることを話すと緊張も解けたのか、日本のことについて興味深げに聞いてきた。片言の英語で何とかごまかしたが、真意が伝わったかどうかは定かでない。
 この店舗における売上高は月平均130万ドル(約1億4000万円)、クリスマスの繁忙期となる12月には170万ドルを記録したという。ファーマシー部門が6割を稼ぎ、その他の化粧品や雑貨、食品などが4割。客単価は30ドル前後で、日本のドラッグストアに比べ格段に高い。従業員数は83人。
 1日当たりの来客数は1500人で、そのうち店舗の特色でもあるドライブスルーによる利用が200〜250人を占める。取扱アイテム数は1.6万から1.8万の間でコントロールしている。コッツィー氏は「まだまだ扱いたいユニークな商材がたくさんある。もちろんウォルグリーンにしかないというオリジナリティの高いものがベスト」だと話す。
 この店で採用しているドライブスルーは、日本ではハンバーガー店ぐらいでしか見られない方式だが、車社会のアメリカではさほど珍しいものではない。顧客はあらかじめ処方箋を電話で伝えたりファックスで送っておき、店では車を降りることなく、また調剤している時間に待たされることなく薬を受け取ることができる。病気を抱えた客、時間のない客などにとっては非常に便利で助かる方法だといえる。最近はオンラインでも処方箋を受け付けているという。
 視察の際には、通常であれば部外者は滅多に立ち入りできない調剤部門の様子も取材させてもらった。こちらも実にシステマチックに調剤できる仕組みを取り入れており、3人の薬剤師と、テクニシャンと呼ばれる5人のスタッフが、効率よく仕事をできるようになっている。薬剤を保管しておくレイカーズ・シェルと呼ばれる棚が10カ所ほど備えられているが、回転率の高いものは中央部に集中しており、より短時間で処方箋どおりの調剤を可能にした。顧客の薬歴管理も進んでおり、これには日本のドラッグストアも注目しているはず。
 調剤部門以外の品揃えも圧巻。トイレタリー、化粧品はもちろんのこと、菓子や健康食品、飲・食料、軽衣料、玩具など、まさにドラッグストアと呼び名が似つかわないほど。加えて、日米の法律上の違いもあるが、セルフで買えるOTC薬の多さには驚くばかり。24時間営業ということで、コンビニエンスな性格を持つ店舗である以上、当然と言えば当然なのかもしれない。
 初めて見聞きすることばかりで呆気にとられていると、コッツィー氏が近寄ってきてこう言った。「日本に戻って参考になるものはあったかい?」。自信と余裕に満ちあふれたその問いかけに、「このチェーンが日本に進出したら、単なる大型店よりはるかに驚異になるかもしれない」と思わざるを得なかった。
 


■都市型店舗/ダウンタウン
 郊外型店舗の視察を終え、出発地であるダウンタウンへ戻った。もう一つの都市型店舗を視るためである。
 一見したところでは、先ほどの郊外型に比べて洗練された外観という印象が強い。しかし、オフィスなどの建物が密集した街のど真ん中に立地しているため駐車場はない。交差点の角地にあり、店の前は絶えず人が流れ、入り口のドアもかなり大きいことから、お客にとっては入りやすい店構えだ。
 ここでは、来客の70%余りが近所で働くOLなどの女性だという。同店マネージャーのブラッド・ユーリッチ氏によれば、客層を意識してコスメ関連の商材について品揃えを強化しているとのこと。店内の様子を眺めると、確かにほとんどが若い女性客だ。そこへほとんど男性、しかも日本人ばかり押し寄せたため、店内にいた客が少々驚いた様子。小さな子供をつれた母親らしき女性など、こちらを一瞥するなり、そそくさと店を後にしてしまった。
 この店では、客が立ち寄ってから店を出るまでの時間が非常に短いという。しかも同一客の来店頻度が高く、目的買いがほとんど。次から次へと客が来店し、そして次々と帰っていく。規模の大きな郊外店には2台しかなかったレジスターだが、ここでは6台が出入口近くに設置され、いずれもフル稼働。平日の昼間にもかかわらず、レジ前には精算を待つ客が列をつくっていた。
 先に紹介したように、狭いながらも店内は女性なら目移りしそうなほど化粧品の品揃えが抱負だ。レブロン、メイベリン、ニュートロジーナなどのブランド別陳列の他、フレグランス、メイクアップなどカテゴリー別陳列も充実している。日用雑貨関連品は、日本のコンビニより少々多い程度にとどまっているものの、一方で清涼飲料、アイスクリーム、菓子などの品数は多い。また、アメリカ人の日常生活には欠かせないポストカード、グリーティングカードの類が豊富に取りそろえられている。後に写真をもとに数えてみたら、なんと約1200種類ほど並んでいた。

■もしも日本に進出したなら
 両店舗を視察した日は、ちょうど夏休み明けの「バック・トゥ・スクール」に合わせたセールの真っ最中だった。セールの手法は「2nd for 10cent」、ある商品を1つ買えば、もう1つ同じ商品が10セントで買えるというもの。また、2つ同じ商品を買えば、もう一つがタダでついてくるというセールもポピュラーになっている。日本で言えば「2個○○円」「3個○○円」という表現になるところだが、まやかしではないにしろ、客の心理をうまくくすぐる訴求だ。そうした表現方法が日本で可能かどうかは別にして、何しろ「どうすれば客が集まるか」「どうすれば喜んでもらえるか」といった視点が常に販売施策の中心にあることだけは確かなようだ。
 郊外店の項でのべたように、ウォルグリーンの日本進出が実現すれば、巨大な資本だけが取り柄の小売グルーブよりは影響力が大きそうだ。多店舗展開のうまさは世界的に知られているところであり、医薬分業が進んでいないとはいえ、日本も規制緩和が進むであろう事は容易に想像できる(現実にそうした方向へ向かっているはず)。キメ細かなマーケティングを展開してくるなら、世界一攻略が難しいと言われる日本の消費者の支持を集めることはそう難しいことではない。カルフールやコストコの進出が話題となっている現在だが、本当に怖いのはこうしたチェーンなのかもしれない。 


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